つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

他国領土奪っても、原野のまま放置するロシア民族

 ロシアのウクライナ侵略戦争について、またまたじっくり考えて見たくなりました。英国情報機関の推計では、ロシア側はすでに3万人近い人が戦死者が出ているというし、米国の戦争研究所ではもっと辛辣に負傷者を含めて10万人ほどの人的被害が出ていると言います。そんな数の犠牲者を出して、ロシア全体からすれば”わずかな”領土でしかないところを奪いにくるプーチンの心底が分かりません。21世紀にもなって、なぜロシア人は19世紀的な発想しかできなのいか。なぜそれほどに領土拡張に固執するのか、理解できないのです。

 5,6年前、小生は香港時代の記者仲間と一緒に極東ロシアを旅行したことがあります。そこで、ウラジオストックからハバロフスクまでのシベリア鉄道を日中列車で移動しました。午前の早い時間に出発してハバロフスクに到着したのが深夜近く。ということは列車で10数時間の距離がありました。昼間だったので、車窓から景色が良く見られました。で、車窓の風景はどうだったかというと、ずっと原野か叢林、草木の地でした。土地を有効に使っているとはとても思われません。

 で、戦後のどさくさでロシアに奪われた日本固有の領土、北方四島はどうか。小生は行ったことがありませんが、いろいろな動画や情報を見る限り、強制移民させられた貧乏そうな白人系のロシア人と軍の駐留部隊がいるだけで、この地も有効開発されている様子はありません。建物はなく、道路も舗装されておらず、日本的に見れば、ほとんど手つかずの状態。実は、千島列島には単に美しい自然があるばかりでなく、火山帯ですから、温泉が豊富。もし、日本が戦後そのまま支配し続ていれば、さまざまな観光開発ができていたはずです。

 という意味では、実にもったいない感じがします。1990年代初め、ソ連邦が崩壊し、エリツィン大統領が政権を握った時、日本に施政権を返還する話がちらついたこともあったように聞きます。別段、正式に領土返還されなくとも、完全にビザフリーにして日本人の出入りを自由にさせ、その上で日本の業者に開発を任せたら、この四島はその後の約30年でどんなに”進化”していたことか。今日、依然ロシアの施政権下にある中、まったく文明が行き届かない未開の地のままです。

 それはサハリンも一緒でしょう。サハリンにはご承知のように天然ガス発掘サイトがあります。ロシアは自前では開発できないので、技術は英国のシェルに頼り、資金は日本の三菱商事三井物産に頼っています。西側が何らかのアプローチをしなければ、サハリンは未開のままでした。いや、この島は鉱物、観光開発などでもっと発展の余地があるのかも知れませんが、ロシアは気づかないのか、気づいていてもできないのか。実にもったいない話です。広大な領土を持つとかなりの無駄が出るということです。

 今回のロシアのウクライナ侵攻、10万人を犠牲にして奪ってどうするというのか。まあ、ウクライナは小麦の産地であるので、その栽培は可能でしょうが、その程度のことで10万人を犠牲にしてもいいと考える神経が分からない。ウクライナ人に耕作させ、それをロシア人業者が仲介して海外に売った方がよほどいい。先般、NHKのBS番組を見ていたら、ロシア人海運業者がウクライナで生産された小麦を奪い、クリミア半島の港湾から海外に運送しているそうな。国家全体として盗っ人、かっぱらいになっているのでしょうか、実に情けない。

 どうして、他国の土地を奪い、その地で収穫されたものを盗もうとするのか。かつて、ナチスドイツがポーランドに侵攻した際、スターリンソ連もそれに乗じて東から同国に攻め込み、ポーランドの一部を掠め取っています。帝政時代にシベリアに侵攻したことも含め、ロシア人の歴史を振り返る時、この民族はもともと暴力的な、ディファイアントな体質、資質を持っている人たちなのかも知れません。

 でも、奪った土地を有効利用しているのならまだ理解できますが、小生がウラジオストックハバロフスク間で見たような荒涼たる原野、北方四島のように手つかずの山野のままで放置するとしたら、なんのため大勢の犠牲者を出して他国の土地を奪いにいくのかがまったく分からない。ロシア人は単に戦争好き、殺人好き、略奪好きで、強盗が目的としか考えられない。領地化したあとどうしようなどと考えない民族なのかも知れません。そんな暴力団のような国家が日本の隣にいるということは実に悲しい現実です。

 上の写真は、金沢駅新幹線乗車口近くの風景。石川県出身の3人の幕内、十両力士の等身大パネルがありました。