つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ギリシャの印象は悪くないが…

 ギリシャは小生が初めて足を踏み入れたヨーロッパの国です。確か30年ほど前。南回りでバンコクニューデリー、ローマにランディングしながら、休憩時間も入れておよそ30時間以上かけやっとたどり着いたのがアテネでした。空港に到着すると、バスに乗せられ、いきなり小高い丘に連れて行かれました。その丘で見た光景は生涯忘れられません。かなたの丘に歴史の教科書でおなじみのパルテノン神殿が見えたのです。思わず時差ぼけの眠たい目が覚めました。
 スニオン岬にあるポセイドン神殿は青い海に囲まれた丘の上にあり、遠いトルコとの戦争を想起させ、感動的でした。客船に揺られてのエーゲ海巡りも魅力的でした。パルテノン神殿に向かう坂の途中にある露天のレストランで食事を取っていたら、手回しオルガンをかなでながら物乞いが現れたり、魚を狙って野良猫が集まってきたりして、これもいい思い出として残っています。そういうわけで、ギリシャの印象は悪くないのです。
 そのギリシャが今、危機にあるとのこと。なんだか、国が破綻しそうだというのに、相変わらず自己主張は強く、EUの再建案に反対しています。ギリシャと言えば、デモ、ストが多いようで、実は、小生が行ったときも本来、ニューデリーからダイレクトにアテネまで行くはずが、現地の空港職員がストということで、ひとまずローマに迂回し、ストが解除したあと、やっとアテネ入りしたのでした。
 ギリシャが勝手な振る舞いで独りデフォルトとなるなら、それはそれでも構わないでしょう。ただ、かの国のデフォルトは欧州有力国の銀行が踏み倒しに遭うということですから、これはユーロ全体、欧州全体にかかわる話になり、さらにはユーロ債を持つ世界すべての金融機関にも大きな迷惑が及ぶでしょう。日本も埒外ではありません。その意味では、いかに怠け者のいるギリシャであっても、この際、なんとか支援しなければなりません。
 でも、ギリシャの国民気質を見るにつけ、今後もEU、ユーロ圏に迷惑を掛け続けるでしょうね。ですから折を見て、ギリシャはユーロ圏から切り離した方がいいです。ユーロ圏から離れれば、国民は欧州有力国に甘えられなくなります。いつでも甘えられるという構造がなくなれば、ギリシャ国民もちょっとは覚醒するのではないかと思います。
 今でも国民の一部は、ユーロなど採用せずドラクマであったら、通貨の切り下げで乗り切れるのにねと思っていると推測されます。でも、公務員が多く、生産力のない国が通貨の切り下げだけでこの危機を乗り切れるほど、今の金融構造は単純ではないのですが、、。
 中国広西チワン族自治区南寧市できたASEAN国際ビジネスエリア内の「日本園」施設の入口付近。この園区に周囲に日本企業などが出資の商店街ができます。