つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

参院選挙制度改革案は逆行だ

 ねずみのお化けみたいな顔をした西岡参院議長が久しぶりにテレビに登場してきたと思ったら、参院選挙制度改革案のことでした。小生は前にもこのブログで書いた通り、一票の格差の是正などというものは必要ないという考えです。格差是正を追求すると、人口の少ない地方の議員が限りなく少数になり、勢い地方を手厚くする政策は出なくなり、ますます都市と地方の格差は広がるからです。
 でも、一応新制度案が出たので、ちょっと検証してみます。新制度は、都道府県単位の人を選ぶ選挙の枠組みを捨て、すべてブロックによる非拘束名簿式を採用するというのです。まあ、今の全国区の非拘束名簿式制度をブロックごとに分けて実施するということでしょう。これだと一票の格差は最大5倍から1・16倍になるといいますから、確かに、一票の格差の是正にはなります。ですが、都市の優遇政策がさらに進むことによって、格差はいずれまた徐々に拡大、またまた黙過できないほどの広がりになってしまうでしょう。ですから、しょせん短期的な措置にしかなりません。
 気に入らないのは、非拘束名簿式ですから個人名でなく政党名を書いてもよく、政党単位の選挙が一段と進むということです。これで無所属の議員は出にくくなりますね。本来は個性的な人が個人の意思で衆院政党政治をチェックする役目を担った参院の特性がこれで一段と損なわれてしまいます。
 政党主体の議院が二つあってもしょうがないので、小生は、参院は個人を大事にする院であってほしいと願っています。参院議員に政党の所属や政党のバック、党議拘束は必要ありません。政党主体の選挙になれば、いわゆる衆参ねじれなどの混乱の元となり、かえって政局の乱れを生じさせるだけです。無用の長物として、改めて参院不要論で出てきても致し方ないでしょう。
 さらに、国会議員定数の問題。民主党議員定数の削減をマニフェストに掲げたのではありませんか。なぜ改革案では現行定数の242人を守り、その約束を反古にするのですか。明らかにおかしな行為です。その面では、みんなの党がブロック制度を前提に定数100人への削減を求めたというのは新鮮でした。国民の多くは議員は多すぎると思っており、日本も米国の上院なみに参院は100人程度でいいのではないかと小生は思います。
 歳末を迎え、にぎわいを見せる上野・アメ横。教えている大学近くの国府台駅から京成線でそのまま上野に出て、忘年会の時間までぶらぶらしていました。