つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

再度言う、一票の格差是正は必要か

 今、参院選挙制度改革の問題が遡上に昇っています。参院のいわゆる一票の格差が現行制度では4倍以上になっているため、最高裁判決で是正要請がなされているからです。そこで、自民党や4野党は、10増10減案を提示しました。この案には、徳島と高知、鳥取と島根の隣県同士を合区にするというドラスチックな改正点がありますが、これが実現しても格差は3倍前後であり、最高裁に胸が張れる2倍以下にはならないということです。
 4倍を3倍程度に修正するのでは、いわゆる小手先の手直しで、抜本改革にはなりませんね。自民党はいつまでこんな姑息なことを続けているのでしょうか。まあ、常識的に見れば、民主、公明両党が提出した20選挙区を10の合区に再編する案の方がより最高裁の要請に近づいているように見受けられます。昨夜のフジテレビの報道番組によれば、これだと一票の格差は2倍以下になると言います。合区という前例のない方式を取るなら、もっとドラスチックに改正してもいいように思います。
 ただ、以上の話はあくまで一票の格差是正を前提にした話です。小生は、このブログでも再三触れているように一票の格差の必要性を感じません。それより地域の面積に比例した議員定数配分の方がより重要だと感じているからです。憲法が保障する法の下の平等を実現するという立場に立てば、格差が必要という人はいるでしょうが、それより今重要なのは日本国全体の均衡が取れた発展です。
 日本は人口流動が自由な国で、しかも多くの人間が実際に住居を変えています。この流れも地方から都市への流れであり、都会はますます人口増であり、田舎はますます人口減です。であれば、今の時点で一票の格差を是正したところで、その数字はすぐに変わり、意味のないものになってしまいます。
 また、一票格差の是正を突き詰めていけば、田舎の議員が減り、地方の声を反映する声が小さくなっていくことです。地方創生などと言いながら、地方から議員を奪うような選挙制度でいいのでしょうか。地方の議員が増えれば、地方に手厚い政策が打ち出せ、それによって都会の人間を地方に移住させる、その流れを促進させることも可能です。その方が日本国の在り方としては、現時点でよほど理にかなってるような気がします。

 上の写真は、大学に向かう途中の道に咲くサルスベリの花。