つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

三男で後継体制は固まらない

 今年は国際的にも、ビッグニュースが本当に続きますね。中東の独裁者が相次い倒れ、ビンラディンカダフィーが死んだと思ったら、年も押し詰まってついに北朝鮮金正日先生まであの世に行ってしまいました。この卓越した将軍さまは、外交もうまい人で、中東のジャスミン革命アラブの春のような事態を避けようと、中国をしばしば訪問したほか、ロシアまで訪れ、中ロ両太国の後ろ盾を得ているように演出し、米国や西側の介入を阻止する構えを見せてきました。そんな”努力”を無にするような突然の死でした。
 どうやら、死因は、17日に列車内で心筋梗塞を起こしたとのこと。小生が驚いたのは、相死亡2日後に朝鮮中央テレビが重大ニュースとして報じたことです。普通、独裁者の死は混乱を恐れてなかなか発表しないものなのですが、今回は結構素早い発表ではないかと見ています。ということは、すでに後継体制が固まったので、北朝鮮当局側が混乱はないと判断しているためか、それとも労働党内の混乱を引き起こすために、どこかの勢力が意図的に早く発表する細工をしたためか。
 その真相は分からないのですが、小生はあの三男での後継体制はまだ固まらないと見ています。金正日ですら、父親からの権力継承に20年近くかかったとされています。ですから、ここ3、4年で出てきた三男にすべての力が集中とはとても思えません。儒教的な家父長制から言えば、長男の正男氏にだって当然の権利があるのですから、その取り巻きは勇気づくでしょう。次男の正哲氏も弱弱しい感じがするとは言え、取り巻きがいるでしょうから、”逆転勝利”を狙うかも知れません。
 そんなわけで、まだまだ混乱はあるというのが小生の見立てです。もし、正恩氏ですんなり後継体制が出来上がり、今後10年、20年とそれが持ったとしたら、北朝鮮はそら恐ろしい国であると認識せざるを得ません。しかし、そうはならないでしょう。ただ、中国は北朝鮮内の混乱をいちばん恐れているでしょうから、内々に干渉して自国に有利なソフトランディングを目指すことは間違いありません。
 下の写真も、市川市国府台にある日蓮宗弘法寺の紅葉風景。