つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

現憲法下でも「首相公選制」は可能

 またまた、恐縮ですが、橋下徹大阪市長の話です。テレビなどで彼の意見を聞いていると、とりわけ強調しているのは、自治体の首長は直接住民から票を得ているから強権的なことができる、残念ながら、首相は国会議員が選ぶ間接民主制、代議制だからいまいちそういう強い力が発揮しえないのだということです。小生もこの意見に同感です。確かに世界を見ても、代議制より直接有権者が選ぶ大統領制度の方が政策決定力や実行力があるように見受けられるのです。
 橋下市長は首相公選を主張しているわけですが、かつては、中曽根首相も同様に首相公選制を主張していたことがありました。ドラスチックに何か変えようとするトップは必ずそういう主張になるようです。ただ、日本は首相は国会議員が選ぶという代議制を憲法で明文化しており、改憲しない限り、残念ながら公選制を取ることはできません。
 しかし、現憲法の範囲内でも、限りなく公選制に近い制度を作り上げることは可能です。それは、引退した元衆院議員、岩国哲人氏とかつて酒を飲んだときに彼から聞いた方法ですが、彼の話によると、現行衆院比例区は政党別に投票するわけですから、各党で政権を取った後に首相に推すべき候補者をこの比例区のトップに据え、また主な大臣になるべき人もいずれも比例区から出せばいいと言うのです。
 これならば、政党の顔が見え、この人を首相にと思う政党を選挙民は選ぶことができます。さらに、政党が事実上掲げる政策によって支持争いができるわけです。ただ、現行制度では、衆院比例区に全国区はなく各ブロックごとに分かれていますから、新たに全国対象の比例区を作らなければなりません。また、選挙区300人に対し比例区は180人で今は比例区の方が少数派ですから、これも比例区の議員を多くするように是正する必要があります。
 現行制度で、参院には全国区がありますが、これは支持政党を書くほかに、候補者の名を書いてもよく、その名が書かれた候補者が上位で当選できます。もし衆院に全国区を作るならば、これと同じような方法を考えてもいいのかもしれません。そして、もし「衆院全国比例区」に閣僚候補者の名を連ねるのであれば、比例区と選挙区の併願は止める形にしなくてはならないでしょう。
 当選回数の多い議員は名前が全国的に売れているわけですから、原則選挙区でなく比例区で出るようにすればいいのです。もし、小選挙区から抜け出せるのならば、その議員はこまごまとした地域の問題にかかわることなく、初めて天下国家の観点から政策を論じることができるのです。地域に引きずられる形でTPPに反対したり、基地問題などに煩わされることなく、国家の安全保障の問題を考えることもできるのです。
 下の写真は、正月モードにある京都・祇園の風景。