つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

董事となった日中合資企業がスタート

 このブログ、結果的にまたしばらくのご無沙汰になってしまいました。実は、4月1日から昨日5日まで上海市を訪問していました。目的は、日中合弁企業の発会式に出席するためです。上海市奉賢区の中国側板金企業と埼玉県にある板金企業が合資企業を作ったのですが、この仲介役を果たしたのが小生らで、将来への責任の一端を担うため小生も董事の一人に加わりました。
 埼玉県の企業の社長は、中国の市場将来性を認めつつも、最初は中国進出に迷っていました。というのは、かつて相当額の投資をして失敗した経験があったようです。そんな迷っている折、確か3年前、小生はこの社長と西川口駅前の喫茶店で会い、中国の実情を説明し、信頼できるパートナーや後援者がいれば怖くないと主張。「小生も勧めた以上、責任があるので投資します」と言って説得したところ、社長は再び中国の夢にかけることを決断しました。
 中国側の企業も、今の単純板金業務で十分儲かっていましたが、精密板金の仕事には応えられていませんでした。将来さらに発展を期すために、中国側社長も精密板金技術の必要性を感じており、いつか日本の技術、企業管理システムを呼び込みたいとの気持ちがあったのです。日中双方の必要性が一致したことで、一昨年春、われわれ日本グループが上海側企業を訪問。双方の社長が握手し、合資企業を立ち上げることで合意しました。
 新企業のスタートは、実は当初2011年秋としていましたが、事務上の手続きの遅れなどがあり、結局、今年4月となってしまいました。ただ、日系企業から精密板金製作の注文がすでに来ており、仕事はすぐにでもできる状態にあります。問題は、中国人工員が主体である合資企業がその精密板金の精密性の要請に応えられるかどうかという点です。今、埼玉の企業から中国語の分かる社員が派遣され、指導に当たっています。
 小生は、中国に対し警戒感を怠らず、厳しい姿勢を示すべきだと思っていますが、だからといって日本は経済的に中国と関係を持つべきでないという考えには反対です。好むと好まざるとにかかわらず、日本経済は中国を無視して生きていけないのですから。小生は、日中両企業の”月下氷人”となったいきさつから、さらに新会社の董事の一員となった関係から、ぜひこの合資が成功例になってほしいと切に願っています。
 下の写真は、上海市奉賢区にできた新企業の入り口付近で撮った一枚。小生の両脇は日本側社長と技術者。