つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

上海はちょっと不景気?

 先週末から今週初めにかけて上海に行ってきました。水曜日に大学の授業があるので前夜に帰ってきたのですが、水曜日夜は最近ニーチェ本を出した友人と痛飲し(それもなんと最後は銀座で)、木曜日夜はルーテインの英文翻訳や雑用をこなしたため、なかなかブログを書く時間が取れませんでした。てなわけで、なんと一週間のご無沙汰になってしまいました。
 上海には小生が関係している合弁企業があり、昨年10月に董事会に出席するため行く予定でした。ですが、前月に尖閣諸島問題にかかわる暴動が発生したので、行く気が喪失、小生だけ董事会不参加となってしまいました。今年春には絶対行こうと思っていたら、董事会は日本での開催(4月1日)となり、結局機会を失いました。そうこうしているうちに大学の授業が始まり、ずるずると6月まできてしまいました。
 ですから、振り返ってみると、上海は昨年4月以来、なんと1年余ぶりです。今回は董事会開催とは関係なく、小生が勝手に合弁企業の様子を見に行こうと思っていただけでしたが、たまたま親しい食品会社の社長が「僕の関連で板金の仕事を出してもいいよ」という話もあったので、社長に同行して上海入りし、現地の董事長や副総経理に会わせ、工場を見てもらいました。
 上海に滞在した時期は端午節で、中国側は連休に当たっていました。ですから、ホテルからぶらぶら散歩して外灘やそれに連なる南京通りに出ると、大勢の地方観光者と遭遇しました。でも、繁華街の一つ静安寺などは人通りもなく、1年前に感じた上海のエネルギッシュな雰囲気が感じられませんでした。上海人は、休みになると、家族一緒で外に飯を食いに出ないものでしょうか。
 同行の社長はもともと上海で食品事業を展開していた人なので、食品の状況に興味があるようで、静安寺のデパート「久光」の食品売り場を丹念に見て回りました。そのあと彼は、「物の値段が(彼が上海を去った時期の)08年ごろに比べて下がっている」と指摘。その一方で、「中国人の労働賃金が上がり続け、労働保険などの経費負担増もあると聞くから、総合的に考えると、企業側の儲けはかなり圧縮されているのではないか」と分析するのです。
 つまり、大都市・上海は今、過当競争になっており、物の値段の抑制、そればかりか値下げすら進んでいると見てもよさそうです。したがって、チャイナドリームを夢見て日本のサービス産業がおいそれと参入しても、そう儲からないという状況になっているのかも知れません。
 下の写真は、上海・黄浦江の支流、蘇州河から浦東地区にある東方明珠タワーやビル群を眺めた風景。