つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ホームランよりバッターの疾走が見たい

 今、プロ野球の統一球問題がホットな話題となっています。ボールの規格が少しくらい変わったからどうなのと言った感じで、小生はあまり関心がなかったのですが、野球技術論に関してはぴか一の張本勲先生が日曜日朝の情報番組で、この問題に言及し、飛ぶボールにしたことも、隠していたことも問題だと厳しく話していたので、ちょっぴり言及してみたくなりました。
 思い起こすに、昨年のゲームは確かに、1対0とか2対0とか、投手戦が多かったように感じました。やはり野球は、選手がダイヤモンドを駆け抜けてなんぼの面白さですから、投手戦というのは玄人受けするかもしれないけど、大方のファンにはちょっと物足りない感じがしたことは事実です。その点では、プロ野球連盟がファン離れを防ぐために飛ぶボールに換えたかったという気持ちは分かります。
 でも、いざ飛ぶボールに換えて今年のゲームを見ると、やたら大当たりのホームランが多いように感じます。張本さんも指摘しているように、真心に当てる技巧でなく、スイートスポットをちょっとずれていても腕力で飛ばすホームランが多くなっているからでしょう。現時点でのホームランダービーの上位に、腕力が強うそうなバレンティンとか、ブランコとかいう外国人助っ人がランクされているのを見るにつけ、張本さんの言が的を得ているように思われます。
 ホームランは派手であり、状況を一気にひっくり返す面白さもありますが、小生は必ずしも歓迎しません。なぜなら、ホームランを打ったバッターはその後にダイヤモンドを鈍足よろしくジョギングするだけだからです。小生は、打った球が外野を転々として、その間にバッターが激走、外野手のロングスローによって2塁あるいは3塁でクロスプレーになるという場面が見たいのです。
 その意味では、できれば、ボールが外野席に入るだけのホームランというのは見たくないのです。われわれが昔やった草野球では、外野にフェンスなどなかったので、外野手はかなり遠くまで球を拾いにいかなければなりませんでした。その間、バッターは激走しホームインすることもありますが、そういうランニングホームランでしたら大歓迎です。
 今のプロ野球は飛ぶボールを使っている割には、そもそも球場のホームベースから外野席までの距離が短く、スペースが狭すぎます。しかし今すぐ、外野席を取り払ったり、球場を大きくしたりしろなどと言っても出来っこないのですから、意味のない要求。しかし、改良の余地はあります。外野席の塀を高くするのです。これは福岡のヤフードームで実現しています。東京ドームも真似をすべきです。
 やはり、野球は、ダイヤモンドをジョギングするのでなく、疾走する選手の姿が見たいと思うのです。点は入らないより、入る方が面白いですが、でも必ずしもホームランが野球の華ということではありません。
 下の写真は、上海市虹口区のわれわれの泊まったホテル近くにあった古いビル。