つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

いじめと領土問題の共通性

 今、日本中で学校でのいじめが大きな問題になっていますが、小生の見方としては、いじめって抵抗しない人が対象になることがほとんどだと思うのです。平和主義をいいことに何の抵抗もしなければ、いじめはますます増長してきます。無抵抗は必ずしも美徳ではありません。ですから、いじめられたら、その子供はいじめっ子に対してけんかをふっかければいいのです。平和、安全というのは、こちらが一方的に抵抗しない、譲歩ばかりする−では維持できません。
 今、領土問題で韓国、中国、ロシアから攻められています。これもいじめ問題と共通するものがあります。日本が固有の領土としているのなら、竹島北方四島に大統領や閣僚が来たら、激しく反発しなければなりません。その意味では今回の中国の対応を見習うべきです。韓国やロシアは相手の対応を瀬踏みしながら徐々に行動をエスカレートしてきました。少なくとも、海保巡視船で接続海域に入るか、自衛隊機をその空域に入れるかくらいの対抗措置を取らなければなりません。
 尖閣諸島が中国あるいは日本の固有の領土かどうかについては、小生は祥伝社新書から本を出しているので、ここでは言及しませんが、中国が覇権主義、21世紀型帝国主義の姿勢で領土支配に固執してくるなら、こちらも腹を据えてかからなければなりません。やはり最後はこちらも戦う姿勢を見せないと、相手は一方的にいじめに来るだけです。もちろん、軍事的には小競り合い(スカーミッシュ)に発展する場合もありますが、そうなれば相手もそれなりに相手に敬意を表する、つまり日本を見直すものです。
 ベトナムはそうしています。ベトナムにとって中国は経済的に依存すべき隣の大国であることを強く認識していますが、領土問題では一歩も引きません。ある時はスカーミッシュを起こし、犠牲者を出しながらもきっちり中国に対抗しています。独立国であるなら、せめてそのぐらいの気概が必要でしょう。自民党の総裁選を見ても、候補者は「我が国の領土はしっかり守る」と言いながらも、実戦の可能性まで言及する人ははいません。今は、こちらも戦えるという覚悟を見せることが重要なのです。
 安易に譲歩してもいいことは何もありません。ナチスドイツがチェコのズデーデン地方を併合してことで欧州4か国首脳によるミュンヘン会談が開かれましたが、英仏の首脳がここでヒトラーと妥協し、ズデーデン地方の併合を認めてしまいました。これが間違ったメッセージとなり、ナチスはその翌年、ポーランドに侵攻したのです。これを世に「ミュンヘン会談の教訓」と言いますが、尖閣で安易に譲歩すると、中国は次に台湾あるいは沖縄本島という「ポーランド」を狙ってきます。まあ、戦前の日本もそういうところがありましたが、帝国主義者の欲望に際限はないのです。
 台湾の馬英九総統は、尖閣問題で大陸中国と共同戦線を張るような姿勢を見せていますが、尖閣が中国に取られたら、次に台湾の主体性まで脅かされるという地政学的な意味が分かっていないようです。李登輝元総統はそれが分かっているから、「尖閣は日本の領土」と言っているのです。馬英九台湾が主権国家をやめて共産党中国の軍門に下るというなら話は別ですが、、。彼は自由、民主、主権の保持より同一民族の一体化の方がはるかにいいものだと思っているのでしょうか。
 中国は教育、学問の自由がない、一方的な教育で庶民を洗脳する軍国主義帝国主義の国であることをわれわれは頭に入れておかないといけません。テレビでは毎日、抗日戦争時代のドラマを放送、ありうべくもないストーリーを展開し、日本軍、日本人を徹底悪として描いています。これも一定の意図のもとに行っている壮大な洗脳教育です。こういう国にどう対応していくべきか。日本は軍事的な備えばかりでなく、洗脳教育を打ち破る宣伝戦、真実の日本を理解させる工作−など多方面で能動的に動いていくしかありません。
下の写真は、福島県安達太良山の山頂付近の風景。この山は火山であり、下に見える谷底では今でも硫黄ガスが噴き出しています。以前、霧に捲かれてここに迷い込んだ登山者数人が死亡しています。