つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

戦争の脅しは自らの首絞めるだけ

 きょう、産経新聞を読んでいたら、中国人民解放軍機関紙「解放軍報」14日付のキャリーで、総参謀部が「戦争にしっかり備えよ」と全軍に指示していたとのこと。まあ、国際政治で言うところの一種のチキンゲームをもてあそんでいるのであって、本気とは思えませんが、14億人の人口を持つ大国にあらざる好戦的な姿勢に驚いてしまいます。それ以上に、小生のような中国語を生業にし、中国企業との関係もある人間からすると、本当に悲しいことです。習近平氏にはもう少し期待していましたが、残念な結果に終わりそうかも知れません。
 中国は最近、尖閣諸島海域に海洋監視船ばかりでなく、軍用機まで飛ばしてきています。尖閣諸島に関して明らかに目に見えるか形で日本側に譲歩を求めているのでしょう。第二次世界大戦後に確定した領土秩序を変えようとする意図はありありで、まさに覇権主義的行動です。小生はまだ侵略意図までないとの判断から「新覇権主義」と定義付けていましたが、世間ではすでに「新帝国主義」という言い方もされています。いずれにしても、軍事力を背景にした強硬姿勢、「砲艦外交」です。
 常識的に考えれば、経済格差が著しい中国では現在各地で暴動が起きており、金持ちは海外に逃げるという現実を前にして、国内統制を強める必要があります。今回の「戦争準備」指令もそうした党中央の意図が反映されたものとみられます。不満を持つ人民の目を指導者に向けさせないよう、巧みに外国に敵を作るというのは北朝鮮も含めて、昔からある独裁国家の手法ですが、あまりにも強気が行き過ぎると、単に敵を作るだけでなく、本格的に火花が散ってしまいます。習近平氏は果たしてそこまで考えているのでしょうか。
 もし、日中間で戦争になれば、米中関係は険悪になり、中国を脅威に感じているアセアン諸国、インド、オーストラリアなども日本支援に回るでしょう。中国には領土問題で潜在的に脅威を感じているロシアも日本にとって好意的な中立の立場を取るでしょう。そうなれば、中国は孤立し、今でも停滞気味の経済活動はますます停滞します。選挙で選ばれたわけでないので、政治的なレジティマシー(正当性)に欠ける共産党政権は、即人民の攻撃にさらされ、立ち行かなくなってしまいます。抗議の焼身自殺が相次いでいるチベットや、もともとイスラム過激派の影響が強い新疆ウイグル自治区などでもここぞとばかり反発、独立の動きが強まることでしょう。
 中国が戦争などをやったら、共産党自らの首を絞めることくらい十分に理解しているはずです。それでも、日本に戦争を仕掛けようというのなら、そういう脅しをするのなら、われわれも準備をしなければなりません。それは、日本国政府が中国国内の反共産党勢力と提携、支援し、内部から共産党政権の瓦解を誘うことです。これは本来内政干渉であり、日中の友好関係からこれまではタブーとされてきたことですが、相手が日中戦争まで考えるならば、もうタブーは要らないでしょう。われわれも「ふんどしを締め直して」かからないといけません。
 下の写真は、昨年夏訪れた広州・黄埔軍官学校でのスナップ。敷地内で普通の中学、高校生が軍事教練を受けていました。共産党は、あたかも戦前の日本のように、子供たちに軍国主義教育をしています。