つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ヒマになった鳩山先生、歴史の勉強を

 今回の鳩山元首相の尖閣問題をめぐる発言問題で、小生はしみじみ感じたことは「日本っていい国だなあー。元首相ですら、好き勝手なことが言える国なんだから」という点です。たとえば、中国の党幹部(現、元を含めて)が中国国内で、「釣魚島は日本の領土」などという言い方をしたら、その幹部はどうなりますか。第一、そんな発言が世間に報道されるのでしょうか。
 多分、その人は逮捕、隔離されるし、その主張、ニュースが報道されるなどもってのほかでしょう。現に、尖閣諸島の都有化に理解を示した元北京大学准教授は逮捕、監禁されています。こう見ると、果たして言論の自由が中国になく、日本にあるという違いを、この一件で中国にいる現地民衆はどれほど理解したものでしょうか。(言論の自由など要らないという人であれば無所謂ですが、、)鳩山さんが日本の元首相で、中国の元首相でなかったことをしみじみ喜びたいと存じます。
 もとより、元首相で、国の意向を尊重すべき鳩山氏の国益無視の発言は言語道断。加えて、「カイロ会談の結果を見ろ」などという彼の主張は意味不明です。カイロ会談では尖閣の「せ」の字も書かれていませんし、最終的な日本の領土確定の中にも出てきません。つまり、どう考えても、尖閣は沖縄の付属島嶼という認識が一般的だったのです。
 万万が一、尖閣諸島が台湾や福建省の付属島嶼というのであれば、米軍の沖縄(南西諸島)統治を確定した1951年のサンフランシスコ講和条約締結時に文句をつけるべきですし、72年の日本への沖縄返還時に中国は何か言ってくるべきでしょう。その時、台湾は駐米大使が一応文句をつけていますが、中国は何も言っていません。まあ、歴史論を言うと、彼らの「真っ先発見論」主張の深みにはまるので、避けたいと思います。
 どうみても、カイロ会談と尖閣を結びつけるのは言いがかりなのですが、3年前まで日本を代表していた元政治家がこんな中国、台湾側の尻馬に乗るというのは分かりません。憤りを感じるし、悲しくもあります。鳩山氏は何を望み、何を狙っているのでしょう。もし、尖閣で中国寄りの主張をするならば、4月に人民日報が「琉球の主権は確定されていない」とした論文についてどう考えるのかも併せて意見を開陳していただきたいと思います。これにも理解を示しますか。
 彼は首相時、「東シナ海を友好の海にしたい」などとのたまわっていました。結構な発言ですが、でも、日本の領土が侵食されかかっているのに、こちらだけが「友好」の意思を表してどうなるんでしょうか。侵略国は「日本にもバカがいるわい」と言ってほくそ笑むだけ。侵略の動きを止めるどころか、ますますその動きを加速させてくるでしょう。
 侵略に対し一時的な妥協や譲歩をしても良好な結果が得られないことは、このブログでも再三書いているように、「ミュンヘン会談の教訓」が教えています。鳩山先生も、政治家を辞めてヒマができたのですから、どうか中国などに行って相手の機嫌を取り結ぶことなどより、世界史や国際政治の勉強をしてほしいと思います。できることなら、第一次大戦後のユートピアニズムの崩壊を分析したエドワード・ハレット・カーの「危機の20年」をぜひ熟読玩味してほしいと思います。
 下の写真は、埼玉県熊谷駅前にある源平合戦で有名な熊谷直実銅像。小生は、きょう28日、用事があって熊谷市から群馬県邑楽町まで遠征してきました。