つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

自民党の圧勝は、民主の批判票ではない

 何かにつけ注目度の高かった総選挙が終わりました。やはり、不肖な小生にとっても、このブログでさまざまな意見を吐いてきたので、一定の評価をしなければなりませんね。というわけで、今回の結果について、小生なりに思いついたことをつれづれなるままに触れてみたいと思います。
 今回の結果について世評は「自民党への積極的な支持ではない。民主党への批判票だ」というものが多かったですが、小生は別の考えを持っています。それは、まず原発について、小生は、一定の期間においての容認、あるいは長期的でもいいと思う人を含めて原発は止めるべきでないという意見が多かったのだと思います。コストがかかり、二酸化炭素をまき散らす化石燃料の火力発電よりよほどいいと思っている人が多かったということです。つまり、毎週金曜日に首相官邸近くにデモしていた勢力などは世間の中のほんのゴマ程度のマイノリティーにすぎなかったということです。
 このサイレントマジョリティーを無視すべきではないと思います。東京新聞政治部長総括では、原発反対の意思が今回の選挙で反映されなかったと書いていましたが、小生に言わせれば「なにをばかなことを。むしろ積極的に示された」と言いたいです。ほとんどの政党が原発反対と主張していた中で、明確に原発の推進を言っていたのは自民党だけなのですから、ここに投票するということかむしろ積極的な意思の表示だと思います。反対に、明確に原発即時廃止などとわめいていた無内容左翼政党が惨敗したのも、そんなものは誰も支持していないということを明確に裏付けています。
 でも、自民党の支持の第一の理由は、やはり原発問題ではなく、経済政策、景気対策への期待でしょう。民主党政権ではなしえなかった景気浮揚への期待度が高かったということです。選挙戦で他の政党を見ていると、景気問題で積極的に論陣を張っていた政党は皆無でした。唯一、強く訴えていたのは自民党だけでした。ですから、もし、景気浮揚でに関して来年夏の参院選までに目に見える形で結果が出なければ、安倍首相の評価は半減するかも知れません。それだけ重要な課題です。
 自民新政権は、景気浮揚のために年明け早々にも大型補正予算を発動するでしょうが、その中身も従来の総花的、ばらまき型の公共事業でなく、「ああこんなところに使ってくれてよかった」というような重点予算配分があるべきです。たとえば、新しい箱ものを造るのではなく、学校の耐震工事の推進とか、先ごろ事故があったトンネルの再チェック、さらにはそのための補強工事など、そして中国の圧力に対抗するための先島諸島への重点配備など、こういってはなんですが、「さすが安倍さんの差配」というような配分が必要かと思います。
 第三極の問題については再三触れていますが、やはりビッグとスモールガバメントの政党同士が野合した維新の会は失敗でしたね。特別国会のあとの通常国会自民党から政策が出されたとき、ビッグ派とスモール派の対立が起き、早晩、仲間割れになると思います。橋下さん、そのときこそみんなの党との合併を考えてください。
 下の写真は、バンコクの「表参道」と言われるランスアンストリートの朝の風景。「表参道」なのになぜか歩道に露天の朝飯屋がいっぱい出ていて、庶民は安い朝飯を食べていました。