つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

柔道家は非常識人種か

 体罰問題は大阪市立桜宮高校だけにとどまらず全国の各学校で噴出し、さらには驚いたことに柔道女子オリンピック代表選手が女子チームの園田隆二監督を告発したことも明るみに出ました。しかも、柔道連盟はそれを受け取っていながら、ずっともみ消していたというのですから、二度びっくりです。告発者が一人か二人なら単なる相性の問題であり、まあたいしたことではないと思いますが、全選手の連名での告発となれば、それは園田監督が信頼されていない証であり、柔連は早急に手を打つべきだったのです。
 運動関係のクラブで体罰があることは一般的だと思うし、まして世界で覇を競う柔道のオリンピック選手となれば、少しくらいの殴りはあってもおかしくないでしょう。小生思うに、園田監督の場合、殴ったことよりむしろ言葉の暴力が問題だったと思います。報道によれば、彼は代表選手にも「死ね」とか「バカ」とか「ブタ」とは言っていたそうです。「死ね」「バカ」はともかく、オリンピック代表候補選手で汗臭いとはいえ、うら若き女性に対し「ブタ」はないでしょう。
 言葉の暴力はある意味、身体への暴力以上のインパクトを与えます。どうもその点を園田監督は理解していなかったようです。年齢が39歳というのはいかにも若いし、指導歴も不足なように見受けられます。やはり、中心となる監督は50歳以上の人にし、もし園田氏の指導が必要ならその老練な監督の下でコーチくらいの地位でいてもおかしくなかったのでは。だれがこんな人事を決めたのでしょうか。
 40歳前の若い男が、年齢も近い女子の優れた選手の中でコーチするとなれば、無理するし、デリカシーもなくしてしまいます。しかも、彼自身がオリンピックに出ていないとなれば、オリンピック候補選手に対し、内心忸怩たる思いがあったでしょうし、指導を受ける選手たちも心の中で「なんだこいつ、偉そうに言ってても、実績もない男じゃないか」というばかにした気持ちも出てくるでしょう。お互いに不幸です。
 加えて、あの内柴正人氏もそうでしたが、柔道漬けの中で純粋培養で育ってきた選手は、一般的に世間常識に欠けるきらいがあります。特に相手が異性の場合、接し方、言葉などで配慮ができないことが多いようです。小生は教師の端くれとして、教室の中では、人をばかにするような言辞、女性へのいやらしい言葉は絶対避けるようにしています。意識して注意しないと、もともと本性がいやらしい小生としては、そんな言葉が出かかってしまうので。
 柔道など武道の指導者はそうしたパワハラ、セクハラ行動、言辞がないように人間的に熟達した大指導者(剣道で言えば錬士、教士、柔道では赤帯クラス)の指導を受ける必要があるでしょう。一般的にスポーツの指導者は単に強い、うまいだけでは駄目。教える人と指導を受ける人の信頼関係がないと成り立ちません。柔道連盟もその点を配慮して、指導者選びをしてほしいと思います。
 下の写真は、バンコク市内で見かけたのんきな猫。