つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

WBC、三連覇なくても楽しめた

 WBC野球は、日本代表がはるばる米国まで行きながら、準決勝で負けてしまい、日本人としては残念という気持ちは多々あります。ですが、小生はこのブログでも書いていたように、今回の日本代表は危ういし、多分三連覇はないだろうと踏んでいました。案の定といった感じです。今後のWBC全体の盛り上がりを期待するならば、日本ばかりの優勝では面白みに欠けるし、今回の結果、これはこれでいいのじゃありませんか。
 ところで、準決勝の敗戦について触れておきます。敗戦の責任はやはり山本浩二監督にあると思います。投手、選手起用もさることながら、やはり8回のダブルスチール(のようなもの)失敗が大きなミスです。内川、井端と1、2塁になったとき、両選手は重盗を試みたのですが、結局、一死取られるだけの失敗に終わってしまいました。
 このプレーに対し、山本監督は試合後、「重盗はできるならやれ」との指示を出していたと言ってました。でも、この指示って、どう考えてもいい加減だし、おかしな指示だと思いませんか。1人に盗塁を指示するときは、「ピッチャーのモーションやカウントなど判断して、やれるならやれ」と言うこともあるでしょう。でも、ダブルスチールは2人でするもの。2人が完全にその気になって呼吸を合わせない限り無理です。
 しかも、プエルトリコのキャッチャーは、メジャーリーグナンバー1という強肩の持ち主。あの最終局面とも言えるあの場面で、2人とも呼吸を合わせて走るには相当の勇気が要ります。ですから、もし重盗を試みるなら、「責任は俺が持つ。次の球は変化球になりそうだから、重盗せよ」などという監督のきっぱりとした指示が必要なのです。
 あの場面、井端が走塁の姿勢を見せたたため、内川が走ったのはセオリーです。キャッチャーは当然、3塁に投げるでしょうから、内川はその間に2塁を陥れられます。でも、井端は優柔不断に止めてしまいました。それで内川は帰塁できず、アウトになってしまったのですが、「できるなら重盗を」との指示があった以上、内川に100%責任はありません。
 このプレーの最大の責任者は、いい加減な指示を出した山本監督です。第一、強肩捕手を前に、3盗(重盗)できると踏んだのは明らかな判断ミス。敢えて次の”責任者”を探すのであれば、走塁を途中で止めた井端でしょう。でも、井端はこれまでの試合での貢献度が高く、この一件ですべて彼の功績が帳消しになるものではありません。勝負は結果オーライであり、鷹揚なラテンアメリカチームとしては、まったくミスのなかったプエルトリコ側をむしろほめるべきでしょう。
 日本は三連覇を逃しましたが、WBC全体の盛り上がりを考えたら、これはこれでよかったのではないと思います。もし、日本がまた優勝したら、米州、アジアの韓国、台湾では、「いつやっても、また日本かよ」という”倦怠感”が漂い、彼らの地での盛り上がりに水を差す恐れすらあります。冷静に見れば、日本チームが1次、2次リーグ、さらにはアメリカの本戦まで行って、われわれは十分、WBCの雰囲気を楽しめたし、日本野球の実力を十分世界に示せたのですから、十分な結果だったと思います。
 下の写真は、先日渋谷で撮ったJR渋谷駅と東急デパートの一部。東急デパートはなくなってしまうのですね。地上の東横線ホームがなくなったのも、よく利用していただけに、ちょっとさみしいです。