つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ソフトバンクと巨人も、大人と子供の戦いだ

 昨日夜、プロ野球の日本シリーズの第3戦を見てしまいました。ソフトバンクも巨人もどちらも金権体質で嫌いな球団なのですが、まあ、プロ野球最後の戦いだし、両軍日本一になろうと真剣に戦っていると思うので、ついついチャンネルを合わせてしまいました。なんと、NHK-BS、テレビ朝日と2局がナマ中継していたのには驚きました。視聴者にとってはこういうのは有難迷惑で、どうか局間で調整できないものかと思います。そこで試合ですが、両軍は各リーグを圧倒的な強さで勝ち上がってきた覇者と言いながら、試合内容はそれにふさわしくないなんとお粗末なものでした。

 このブログで先に、大相撲の炎鵬と幕内力士の対戦を「大人と子供の戦い」と言っていたおばさんがいたと書きましたが、少なくとも日本シリーズ第3戦を見る限り、これもそうだと思いました。ワンヒットを打つのがやっとなんで、どう考えても巨人側が勝てるというイメージが湧いてこない。野球は走攻守というけど、すべてにおいて巨人はソフトバンク(SB)より劣っているし、巨人の選手は皆おどおどしていて覇気がない。「端から勝てない」と思い込んでいるようなフシも見られて、残念ながら大人に挑む子供のようでした。

 野球は投手と打撃陣の争いで、良い投手が出てくれば打てないから、まず投手力と言いますが、必ずしもそうでもない。そのほかに内外野の守備力や走塁、攻撃の作戦もあります。守備力で見ると、SBの甲斐捕手は「甲斐キャノン」の強肩で、まず盗塁はさせないのが強み。さらに、インサイドワークも良い。昨日先発し、次にリリーフした両外国人投手の得意な球を有効に引き出していた。特に黒人リリーフピッチャーのタテに割れるカーブはとても打てそうにないが、見逃すとストライク。これを決め球としてうまく使っていました。

 甲斐がMVPを取った一昨年、打力の方は全然ダメでしたが、今年はそうでもない。ホームランも打っているし、盗塁もしているし、打線としてもそこそこ機能しています。走攻守そろった彼の活躍がSBの強さの第一原因でありましょう。歴代日本シリーズを勝ったチームを見ると、必ず良いキャッチャーがいるものです。伊東のいた西武、里崎のロッテ、嶋の楽天阿部慎之助の巨人と、走はともかく攻守にたけたキャッチャーばかりで、甲斐はその仲間に入りつつあります。

 さらに、見逃せないのが周東の走塁。第一戦の後半、それまでバットにかすりもしなかった彼を四球で塁に出させてしまったのが巨人の決定的な敗因でした。ある意味、このシリーズの流れを作ってしまった場面でもありましょう。周東は透かさず盗塁し、中村晃のタイムリーで生還し、ダメ押し点となりました、周東が塁に出たことで投手が走者を警戒、その分打者への注意力が散漫になるので、彼の果たす役割は大きいです。

 中村晃のあのくにゃくにゃしたバッティングフォームは好きになれないが、短期決戦では有効な戦力です。どちらかと言うと、柳田、グラシアルの長距離バッターのように神経を注がれない分だけ、中村晃は得をしています。もともと巧打者なんですが、塁上に走者がいるとさらにそのバットコントロールが光ります。5番を打つ栗原もチャンスに強く、これまた非の打ちどころがない選手。この2人が今年のMVP候補でしょう。それにしても、どうしてSBの選手は皆すごいんだろうと思います。

 それに比べて、巨人は主軸の坂本、岡本、丸のクリーンナップが全然打てない。第一、昨年のリベンジだという気負いがない。これは昨年のシリーズで完膚なきまでにやられたことで、却って萎縮してしまっているのだと思います。こんな時は、オーダーの大胆な切り替えも必要かと思いますが、原監督は第4戦もこのオーダーに依然こだわるのか。残念ながら、今の巨人,SBのクリーンナップを比較するだけでも、大人と子供とは言わないが、プロと大学野球程度の差があるようです。

 どうころんでも、昨年の二の舞、0対4で巨人の負け。本当にくそ面白くもない日本シリーズになりそうですが、より金権の巨人が負けるのは結構なことかも。巨人は他チーㇺから取った選手を元に返した方がいい。丸、大竹とか、広島から取った選手は働かないし、中島も西武時代のしぶとさが出せていない。ウィラーなんてホームランを打ったけども決定打にはならない、肝心なときには三振だ。昔から他チームから来た選手は働かないというのが巨人の相場だが、今年もその通り。それでもストーブリーグで、他チームの有力選手を狙っているというのだからあきれてものが言えません。

 それはともかく、ウィラーが試合中、汚い唾を吐くのは許せない。贔屓の楽天にいた時から見苦しいと思っていたけど、相変わらずやっている。ご飯を食べているテレビ観戦者もいるのだから、少しは考えろと言いたい。チーム首脳も審判団も注意できないものなのか。

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 上の写真は、タイとミャンマー国境地帯を流れるクワイ川の鉄橋。すなわち名作映画「戦場にかける橋」のモデルになった現場です。タイに住む友人が送ってきました。