つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

長嶋、松井のダブル授賞は唐突だ

 多くの新聞やサイトでも書かれているので、取り上げるつもりはなかったのですが、プロ野球ファンとしては一応、長嶋茂雄松井秀喜国民栄誉賞ダブル授賞について意見を述べておきます。正直、小生、このニュースを最初に聞いたとき、わが耳を疑いました。そして、「いったい、どういう理由なの。どういう趣旨なのか」とこれを決めた人の心底に疑問を感じました。
 普通、国民栄誉賞というのは、そのときどきに何か話題になった人に贈る形が多いのです。一般的になぜ死亡後の追贈が多いかと言えば、ある有名人が死亡すれば、その時当然話題になるからです。ですから、生前贈与の場合は、世界的な記録を作って話題作りした人に贈るケースに限られています。
 という漠然とした基準に照らし合わせてみると、長嶋、松井の授賞というのはあまりにも唐突な感じがします。長嶋、松井の2人とも、今、現時点で何か話題作りをしましたか。松井は昨シーズン限りで引退したけど、そんな出来事は少なくとも国民的な話題ではないでしょう。しかも、引退直後の昨秋ならまだ分かりますが、球春到来のこの時期に、引退して行く末も決まっていない人にことさらスポットライトを当てるのはいかがなものでしょう。
 小生の郷土・千葉の英雄である長嶋茂雄の授賞に異議を唱えるつもりはまったくありませんが、では、今、この時点で、長嶋が何か話題作りをしましたか。東進スクールの先生のように「ではいつ授賞するか、今でしょう」とはならないでしょう。われわれ世代のプロ野球ファンを十分楽しませてくれて、「モスト・インプレッシブ・プレイヤー」である長嶋こそ、こう言ってはなんですが、逝去時に授賞するにもっともふさわしい人物でしょう。
 まったく分からないのは、松井の授賞理由。彼は、米ワールドシリーズでMVPを獲ったことが高く評価されていますが、そのくらいのことが理由になるなら、プロ野球選手で他に授賞してもおかしくない選手はゴロゴロいます。最初に思い浮かぶのが、日米で安打新記録を作ったイチローです。日本での記録保持者、安打の張本勲だって、勝利数ナンバーワンの金田正一だって授賞してもおかしくないでしょう。
 少なくとも生前授賞は、大きな記録を作って話題作りをした人に限るべきです。松井の記録、実績は、鉄人の記録を作ったレスリングの吉田沙保里選手に匹敵するものではありません。そういう人に対し、吉田の授賞のあと一年もたたないうちに贈るというのは、意味不明です。人気が高い安倍首相が今さら、人気獲得のために”細工”したものとは思えません。多分、取り巻きのしたことでしょう。むしろ安倍氏は、こんなことをしたら、「国民栄誉賞の乱発」という世間の反発を買うということくらい分かっているはずです。
 下の写真は、奥湯河原にある不動の滝の前での一枚。こう言ってはなんですが、大したことない滝。でも、湯河原の数少ない観光地の一つです。