つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

消費税意見聴取は閣内の反対論つぶしか

 今、来年の消費税8%、再来年の消費税10%アップは是か非かということを有識者から聞く意見聴取会合が開かれています。結論的に言うと、やはり政府が選んだ有識者ですから、消費税アップ賛成派が多いようで、筋書通り。最初から見えていた結果ということでしょうか。でも、これでいいと思います。
 安倍首相は予定通り来年度から消費税アップをやりたいと思っていると小生は見ています。やはり、国家の債務が1000兆円を超えたというのは容易ならざる事態です。もし、計画通りの消費税上げをしなかったら、他国は日本を信用せず、格付け会社からはランクダウンを言われ、ソブリンリスクが高まり、国債長期金利は上がって、日本国の経済は立ち行かなくなってしまいます。
 よく消費税は財務省が筋書を書いているとか、財務省の猿回しに踊る政府、首相とか、どうのこうのとよく言われますが、この債務の状態はだれが見ても大変深刻だと思うし、放置できないのではありませんか。
 意見聴取の中で、ある反対論者が「政府はわれわれの生活の大変さが分かっていない」と怒っていましたが、消費税を上げないでソブリンリスクが高まる方が国全体でどんなにマイナスになるか、この人は分かっていないようです。まあ、自分勝手な人なのか、あるいは国のリスクを知らない単なる無知な人なのか。無知ならまだ許せますが、この期に及んで自分だけしか考えない無責任な発言は許されません。
 いずれにしても、来年4月の8%上げについて、来月9月に一定の方向性を示さなければならないので、この時期、意見聴取をする意味は分かります。でも、小生は別の意図もあるのではないかと見ています。内閣参与をしている安倍首相のブレーン、浜田宏一・元エール大学教授が意外にも来年の消費税上げの反対論者なんですね。彼はアベノミクスの推進者であり、閣内での影響力も大きいので、彼の反対で安倍首相の手足を縛られる恐れもあるのです。
 そこで、誰が考えたのかは不明ですが(あるいは安倍首相自身か)、他の経済学者に消費税上げ賛成が多いことを浜田氏に見せつけることで、彼の声を相対的に小さくすることにあると思います。言葉を変えれば、今回の意見聴取会合は、浜田氏ら閣内参与の反対論を封じ込めることにあるのではないかと小生は見ています。
 まあ、だれが下手人かなどの詮索、そんなことはどうでもいいこと。多くの意見開陳者は賛成論をぶったのですから、このまま粛々と消費税上げに向かっていくことと思いますし、それでいいのでしょう。
 下の写真は、顔に「タナカ」という木のこすり粉の化粧品を塗ったミャンマーのご婦人。若い人から年寄りまで多くの女性がやっているので、驚きました。