つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

来春消費税アップを延期していいのか

 今日朝の新聞を読むと、どうやら消費税の10%アップは2019年の秋まで延期されるような情勢です。今日中に安倍首相と山口公明党代表が会談し、最終的な確認をするらしいです。それにしても、愚かなポピュリズムに走るものです。ある意味、目先だけしか見えない無知な大衆への迎合路線。そうせざるを得ない民主主義国家の愚かさの表れとも言えるのかも知れません。
 日本国は今でも、オギャーと生まれた赤子まで含めて一人当たり実質1000万円以上の借金を抱えています。そんな状態なので、収入を図り、財政健全化を目指す方策は喫緊の課題です。遅くすべきどころか、早くて早すぎることはない状態なのに、本来来年4月導入と決めていた10%アップをさらに2年半延ばすというのですから、開いた口がふさがりません。
 安倍首相は伊勢志摩サミットで、なんだが唐突に「今の世界経済状況は脆弱で、2008年のリーマンショック並みの危機が再発してもおかしくない」などと話し出し、他国首脳が首をかしげる一幕がありました。首相は来春の消費税上げを延期することが念頭にあるため、各国指導者になんとかそういう認識を共有してもらいたいと半ば強制的に同意を求めたのでしょう。
 でも、それほど危機的にないというのが他国首脳の認識であり、普通の経済学者でもリーマンショックを引き合いにするような情勢分析をしている人は少数です。まあ、サミットの場では驚かれたというより、「日本の内政に利用しようとしているな」とばかり物笑いの種にされたのかも知れません。
 ですが、やはり安倍首相は自ら描いたシナリオ通り、サミットを受けた形で消費税上げの延期を決めるようです。麻生財政相は反対しているようですが、まあ愚かな国民は一般的に税金アップは反対でしょうから、7月の参院選を考えた場合はそういう迎合路線を取らざるを得ないでしょう。膨大な借金を後世の子供たちに残していいのですか。本当に心配です。
 小生は子供がいなので、自身の子供や孫が借金地獄に悩まされることはありません。いや、むしろ年金生活の自らの生活を考えた場合、消費税が先延ばしされるのはうれしいことかも知れません。でも、なんだか気分が良くない。今日すべき仕事を1、2週間後に延ばすような、自分の悪事を他人になすりつけるような感覚にとらわれます。


 上の写真は、京都・嵐山にある竹林と大河内伝次郎邸の風景。