つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

自衛隊への天皇統帥権はないのに

 日本の集団的自衛権を論じると、すぐに「たいへんだ。集団的自衛などを考えると、日本はアメリカに付き合って、地球の裏側の戦争まで参加せざるを得なくなる」などと言って反対する奴がいます。こういう意見を聞くと、小生がいつも感じるのは、日本って米国の奴隷なのかよ、日本には戦いへの参加、不参加を選ぶ自由もないのかという点です。
 先に、米国がシリア内戦への介入を示唆したとき、英国は議会が反対して不参加となりました。いつも米国の戦争に追随するあの同盟国の英国ですら、今回はパスしました。同じように、日本も米国の戦争にいつでも付き合わなければならない義務はありません。あくまで日本の国益から考えるべきことです。
 日本は今、民主主義の国です。首相がたとえある紛争に介入しようとしても、国会が反対すれば済む話です。国民の大多数が日本の利益にかなわない戦いだと思っているのに、政府が無理やりそのその戦いへの参加を決めるなら、その首相の首をすげ替えるか、選挙で正々堂々と政権交代を迫ればいいのです。
 旧日本軍は統帥権と言って指揮系統が天皇に直結していました。ですから、国会が反対しても、統帥権を盾にして軍部が独走することがありえたけど、今はシビリアンコントロール、首相が自衛隊のトップです。自衛隊は政府や国会を無視して勝手に動くことはできないのです。
 そんな政治システムの違いを知らないのか、知っていながら言わないのかは分かりませんが、いわゆる左側の人間はすぐに「地球の裏側の戦争参加」という極端なことを言いだします。これって、日本の民主主義政治システムをまったく信用していないということではありませんか。我が国は、共産党一党独裁政権交代のない中国や、事実上封建主義的君主制度下にある北朝鮮とは違って、民意で政治が動く国なのです。
 集団的自衛権に反対と言うのなら、その政党は、選挙で大多数の議員を当選させて、その運動を盛り上げてください。でも、そういう政党の支持率はだいたい3%以下なんですね。という現実を見る限り、その政党の主張はその程度のものであるということでしょう。
 下の写真は、香港チェプラコック国際空港のラウンジから見た香港ランタオ島の山なみ。香港駐在時代は、この山々に何度登ったことか。