つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「日本を火の海に」と言う中国将軍の愚

 中国軍のスポークスマンである羅援少将が「中日が開戦すれば、中国のミサイルが日本を火の海にする」と語ったという話が伝わってきました。どこで話したのかは知りませんが、中国がすでに日本に照準を合わせた1000発以上のミサイルを配備していることも併せて明らかにしたとか。正直言って、小生、この発言を聞いて、品がないというか、あきれたというか、情けないというか、こんな愚将が軍代表の発言人をやっているのかよと思いました。
 最初に感じたのは、自国がPM2・5という大気公害に困っているときに他国と戦争って話にならないだろう、他国の領土を攻撃するなどという威嚇話より、まずは公害対策をしっかりしたらどうかとの思い。中国のある雑誌を読んでいたら、「中国は最近、戦争をやっていないから”経験不足”。若い軍人に戦争のやり方を教える必要があるが、日本は絶好の対象になる」などという記事が掲載されていて唖然としたことがあります。そもそも戦争が好きなんですかね、この国の軍幹部は。
 それから、軍のスポークスマンというのは、発言の影響力を考えなければならないのですが、羅少将にはそれがないという点。自国の軍備の向上や防衛力強化について発言するのはいいでしょう。でも、北朝鮮でもあるまいに、「お前の国を…だけ痛めつける」とか「…を攻撃する」などという挑発的、脅迫的な発言は、大国であればあるほど絶対に避けなければならないところです。が、残念ながら、羅将軍にはその配慮がないのです。
 また、この少将は海外事情がまったく分からない人なのかという疑問も湧いてきました。今や、日中間には多くの人的交流があります。日本を火の海にするというけど、その攻撃すべき日本に古くからの華僑や新移民を含めて100万人近い中国人が住んでいるのを知らないのでしょうか。日本を火の海にしたら、同胞がどれだけ犠牲になるか、それどころか、「日本を火に海にする」と言っただけで、同胞がどれだけショックを受けるかという点まで思い至らないのでしょうか。
 さらに、もし日本を火に海にしたら、これは全面戦争であり、中国の都市だってただでは済みません。かつて毛沢東は「中国が核攻撃を受けて半分の人口になっても、まだ3億人は残る」などと”豪語”していたけど、今や、簡単に人口の半分を犠牲にできるなどと言える時代ではないし、中国だって沿岸部は近代化し、失うものが多すぎます。
 日本が火の海になれば、当然中国(特に沿岸部)も火の海になることを覚悟しなければなりません。ミサイルを持っているのは中国だけではないのです。「専守防衛」の建て前から、日本は他国攻撃の中、長距離ミサイルは持っていませんが、同盟国である米国はICBMまで持っていますし、もし米軍が加担しなくとも、日本だけで中国沿岸部を攻撃するくらいの兵器は十分備えています。
 そういうもろもろのことを考慮すれば、毛沢東でもあるまいに、火の海発言などできないと思うのですが、この愚かな少将は、どんなつもり、狙いでこんな発言をしたのでしょうか。こんな発言で日本を萎縮させられるとでも思っているのでしょうか。それとも、毛沢東くらいに偉くなった気でいるのでしょうか。
 それにしても発言に品がなさすぎます。品のない人が軍を代表して発言していることに良識ある中国人は怒らないのでしょうか。まあ、怒る人がいてもメディア統制、言論統制の社会ではその声は公にならないか。こういう愚将を批判できない中国のメディア、国内世論の現状を悲しみます。
 下の写真は、浅草寺の風景。1月某日、ある会合の新年会が浅草であり、ついでに浅草寺をお参りしました。