つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

立憲民主党の安全保障論はでたらめ

 安全保障は独立国家として存立するための基本なのですが、残念ながら野党第一党立憲民主党の安全保障政策はでたらめです。先ほど、日曜日の「たけしのTVタックル」という昼の番組を見ていて長妻昭議員が出ていましたが、この人の言を聞く限りにおいて多くを納得させるものは何もありませんでした。恐らく立民党は永遠に野党のままでいて、政権に就くことなど微塵も考えていないなと感じました。
 長妻議員は「立民党は日米安全保障条約を認めているし、日米の軍事同盟関係も尊重するという立場にある」と主張。ただ、「米国が矛(攻撃)であり、日本は盾(防御)、つまり専守防衛に徹するので、日本は敵基地攻撃能力を有する長距離ミサイルなどは持てない」などと論じていました。
 この言でまず面白いなと感じたのは、長妻氏は実にナイーブな感覚の持ち主で、米国はずっと日本を守るために「矛」の役目のままでいてくれると信じ切っていること。米国には米国の国益優先があるのに、そう思うとは非常におめでたい、ノー天気な見方です。もし彼の言の通りなら、米国は日本にとって十分信頼できる国なのだから、安全保障上で米国の行動を制約してはならないし、沖縄はじめ日本各地に持つ米軍基地の存在も十分評価しなければならないでしょう。
 それなのに、現実に彼らがやっていることは、米軍嫌い・ヤンキーゴーホーム、米軍基地縮小に向けた発言、行動ばかりです。中国の覇権主義を抑制し、日本船舶の航行の自由を守るためには、沖縄に米軍の存在は必要なのに、彼らが実際にやっていることは、街中にあって危険性の高い普天間基地を北部海岸の辺野古に移転することさえも反対しています。長妻氏が示した矛と盾の例から皮肉を言わせてもらえば、彼の言は大いなる矛盾です。
 長妻氏は「日本は射程200キロ未満のミサイルは持っていいが、(北朝鮮にも届く)射程900キロのミサイルは持ってはならない」「垂直上昇の戦闘機が積載できるような空母の保持はいけない」とも言います。安全保障上、敵基地を撃滅する能力がなければ、厳密に抑止力を持つことになりません。敵にミサイルを撃たれたら、それを防ぐ防御能力さえあればいいというのでは、相手国はこちらを攻撃するのに何の躊躇もしないでしょう。お前が撃つならこちらもそちらを攻撃するぞという態勢を持って初めて抑止力が発揮できるというのは安全保障のイロハです。
 立民党も共産党も、憲法の9条をいじって自衛隊を条文の中に明記すると、自衛隊がフリーハンドになって地球の裏側まで行くことにもなりかねないなどと言うけど、これもナンセンスな言い方です。地球の裏であろうとどこであろうと、日本にとって脅威となるなら、自衛隊がそこに行って活動するのは当然のこと。大陸間弾道弾という1万キロ以上飛ぶミサイル、宇宙から攻撃できる兵器がある現実を見るならば、距離的、地理的なことを言うのは意味のないことです。
 自衛隊海外派遣の必要性は政府や国会が決めることであり、もし時の権力者が国民の大多数が反対するような意味のない派遣をするなら、その政権党を倒し、総選挙をやって別の政権を作ればいいのです。PKO(国連平和維持活動)を含めて今、自衛隊の海外派遣は国会承認が必要になっています。十分に国民の意思が反映される形になっています。
 戦前の日本軍は天皇統帥権を持っていたので、陸海軍当局が政府や国会の意思を無視し、天皇の御名御璽をもって勝手に部隊を動かしていましたが、今はそんな時代ではない。国民多数の意思がなければ自衛隊を動かせないのです。そんなことは周知であるのに、立民党と共産党はいまだに「自衛隊は勝手に動く、勝手に地球の裏側まで行く」ようなことを言うのは国民を欺くいかがわしい論、難くせ付けに過ぎません。

 上の写真は、東京・練馬区に住む友人が送ってきた首都圏”大豪雪”の日の風景。練馬は内陸であり、小生の住む横浜の海沿いより明らかに積雪量が多い。