つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

分かりにくい「アンネの日記」破りの狙い

 最近、東京都内の図書館で「アンネの日記」が破られるという事件が連続発生しています。東京に限らず、小生の自宅マンションの真ん前にある横浜市立中央図書館でも、同様事件が起きているとか。小生の近くまで犯人が来ているのか思うと、とても他人事とは思えません。それにしても、なんでまたこんなことをするのか、まったく動機が読めないところが、不気味ですね。
 ネットニュースで見る限り、被害を受けたのは「アンネの日記」とその関係図書ばかりとのこと。杉並区立図書館では、犯人は本中の一部数枚を破り取り、破った紙片をその辺りに捨てるのでなく、大量にカバンなどに入れて持ち去ったようです。他に損壊を受けた図書がないところを見ると、これは、明らかに「アンネの日記」関係という特定の図書に対する嫌がらせの行動としか思えません。
 しかも、複数の図書館が狙われていること、東京ばかりでなく、横浜でも同様事件があったとなれば、単独犯とも思われません。一定の組織、グループが組織的にやっている可能性大です。そこから推理すると、この犯行グループは単なる愉快犯でなく、一定の思想性、狙いを持ち、世間にそのメッセージを発するため、犯行に及んでいると思われます。
 では、どういう狙いなのか。犯人はアンネの日記の何に不快を感じるのでしょうか。ご承知のように、この本はナチスドイツのユダヤ人狩りから逃れてオランダで屋根裏生活を送る家族の物語で、世界的なベストセラー。小生の姉も読んでいたので(小生はさらっとだけ)、実家にありました。アンネの健気な生き方は侵略戦争、民族差別の悪を浮かび上がらせ、多くの人に感動を与えるものの、不快を感じさせるところはないはずです。
 この事件がドイツで起きるなら、ある程度理解できます。ドイツには依然民族差別意識の強いネオナチというグループもありますから。しかし、ユダヤ人への民族差別、ホロコーストは日本人のほとんどが理解できないし、反対でしょうから、この犯行に共鳴する人は皆無でしょう。そうした中で、犯人はこの犯行でどういうメッセージを発したいと思ったのか。
 小生の大胆な推理で言えば、日本人がもともとドイツと同じように民族差別、ホロコーストを起こしやすい国民だということ(そんなことはないんですが、、)をアピールしたい人、あるいはいまだにそういう思想を持っている”軍国主義者”が日本にはいるということを訴えたい人、あるいは日本もドイツも70年ほど前に侵略戦争し、ひどいことをしたということを社会的に再認識させたい人の犯行ではないかと思うのです。
 となると、日本人自身がこんな事件を起こすことはちょっと考えにくい。あるいは外国人の犯行である可能性も捨てられないでしょう。まあ、図書館にも防犯カメラは備えらえれており、犯人はいずれ判明すると思いますが、、。
 下の写真は、気象協会に勤務していた友人が1月末で退職したので、小生らがその記念パーテーィーを日本プレスセンターで開催したときの光景。