つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

推奨は「八甲田山」と「黄色いハンカチ」

 俳優、高倉健さんの死去は突然であったし、小生もファンの一人だったので、それなりにショックでした。決してうまい演技ができる俳優だとは思いませんが、彼本来の人間としての生き様が映像の中ににじみ出ているようで、その味が何か人を引き付けてやまないところがあります。そういう意味では稀有な役者だと感じていました。
 お亡くなりになって、彼の映画がテレビで再放送されています。ビデオ店でもかなり借りる人が増えているようです。生涯205本に出ているそうですから、彼の全作品を見るのは容易ではないでしょう。でも、初期のころの東映作品、ヤクザ映画を度外視すれば、もう一度見るにしても、結構少なくて済む感じもします。
 小生も網走番外地とか日本侠客伝、昭和残侠伝などのヤクザ映画はほとんど興味がありませんし、見ていません。しかし、70年代以降の作品は結構見ています。高倉健の出演映画で際立っていたのは「八甲田山」ではないでしょうか。雪中行軍を完遂した隊の指揮官軍人の役は絶品で、小生は強く印象に残っています。あの映画が、高倉健のイメージをかなり変えた、ターニングポイントの映画ではないかと見ています。
 ネットサイトで、高倉映画の中でどれが一番いいと思うかという投票がありました。「幸福の黄色いハンカチ」がナンバーワンになっていますね。小生も同感です。生来彼が雰囲気的に持っている孤独感を一番表している作品だと思っています。あと小生が好きな作品としては、「新幹線大爆破「海峡」「遥かなる山の呼び声」かな。意外に思われるかも知れませんが、初期作品で三国連太郎伴淳三郎との共演、本人は刑事役で出ていた「飢餓海峡」も気に入っています。
 反対に、高倉健にはどうかなって思う作品は、「あ・うん」「四十七人の刺客」「単騎、千里を走る」。特に「単騎」はあの名監督張芸謀との組み合わせ作品にしてはオモシロなさすぎます。「夜叉」とか「冬の華」も元ヤクザの役で、何か東映時代のイメージが出てきて感心しません。

 上の写真は、伊勢神宮内宮「皇太神宮』前にあるおかげ横丁の一風景。