つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

初めての入院生活−その2

 人生初めての入院生活ですから、何もかも新鮮。ですから、印象的だったことを項目ごとに取り上げて、コメントしたいと思います。
 一、病院の夜は騒がしい
 これは意外でした。小生はこれまで、病院の夜はひっそりしているものと信じ切っていました。ところが、経験してみると、夜はうるさいばかり。特に、世間では真夜中と言われている午前2時、3時でも大きな人の話し声が聞こえる。看護師さんも別段注意するふうもないのです。
 恐らく、入院患者は常時ベッドの上にいるわけですから、昼間も寝ている人はいる。となると、自分もそうでしたが、昼夜逆転して真夜中に目がさえることはあります。小生は個室だったので、話し相手はいなかったが、複数ベッドの病室は患者同士顔見知りになるでしょうから、真夜中でも会話は成り立つのです。
 うるささは話し声にとどまらず、大きな咳やうがいの音なども聞こえます。小生の部屋は閉め切っていましたが、なお遠くから聞こえてくるほど。これでは、騒がしい同室者がいれば、寝たいときも眠れないでしょう。しみじみ複数ベッドの部屋にしないでよかったと思いました。
 二、医師も看護師も多忙
 小生の胃切除を担当してくれた主任医師は週3回以上のペースで手術に立ち会うと言っていました。午前は外来患者に対応し、午後は手術、そのほか早朝、夜間(場合によっては週末も)にも、病棟で執刀した患者の見回りをしますので、いつも病院にいる感じ。勤務医はいったいいつ休むのか、自分の時間があるのかと思ってしまいました。
 そこで、研修医の女医さん(この人は髪を染めAKB48系の顔立ちで、一見医師には見えませんでしたが、)に聞いたところ、医師は常在戦場の状態で、早朝、深夜、泊まりの勤務があるとのこと。そこで、医師のほとんどは、すぐに駆け付けられるよう病院の近くに住宅を持っていると言います。
 一方、看護師に自宅を聞くと、医師ほど近くに住んではいないのですが、勤務のローテションはしっかりしていて、しかも過酷。夜勤は若い看護師で月7回以上、40歳以上の人でも6回はあるそうです。打ち解けた数人の女性看護師に、「君は今、何が楽しみなの」と尋ねると、彼女らは「寝るのが楽しみ。とにかく寝たい」の一言でした。若い看護師であればあるほど、この反応はさみしい。
 三、病院ではネットアクセスできない
 これも意外でした。今日、ビジネスマンにとってネットは欠かせないでしょう。ですから、若い患者を中心に病室にPCを持ち込む人は多いと思います。小生は当然、光ケーブルかWIFIの設備はあると思ってPCを持参しましたが、無残に否定されてしまいました。本来は自分でWIFI設備を用意していけばいいことなのですが、、。小生はそこまで考えていませんでした。
 では、病院内ではどうしてもネットはつながらないのかと聞いたところ、「地下3階にファミリーマートがあり、その周辺ではファミマのWIFIが飛んでいる」とのことでした。地下で試してみましたが、その通りで接続できました。でも、ファミマにはPCをいじるイスも机もなく、立ったままか、床上に座ってのアクセスしかなく、長居はできませんでした。しかも、5階から地下3階までの往復は億劫です。事前にWIFIを契約しておくべきだったと悔やみました。
 四、健康の素晴らしさを知る
 これは当たり前のことですが、健康って本当に素晴らしいことなんだと実感しました。5階の病室から見える横浜みなとみらい地区には、早朝からジョギングマン、ウーマンが集まってきます。健康そうな彼らを見るにつけ、当方はパジャマ姿で点滴棒をぶら下げて、足をひきずりながらのトイレ行き。このギャップが本当に情けなくなりました。
 入院中に横浜開港記念日があり、夜7時半ごろから病室のすぐ前で花火が打ち上げられました。窓の下を見ると、大勢の人が花火会場に急ぐ、華やいだ雰囲気。こちらは病室から居ながらにして花火が堪能できましたが、所詮独り。そばに酒もつまみもありません。華やかさとは無縁のわびしい花火見物になってしまいました。


 上の写真は、小生の病室から見えたみなとみらい地区の景色と5階入院病棟のナースステーション。