つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

テレビを見ると、安保法制反対ばかり

 国会上程中の安保法制は昨日に特別委員会、そして本日、衆院を通過しました。まあ、参院でもたもたすれば、60日後の衆院再可決という手があるので、一連の法案はほぼ成立したも当然でしょう。これで、同盟国米国との約束を果たせるし、国際的にも、西欧などは日本が安全保障の面でやや”普通の国”に近づいたと評価することは間違いありません。
 それにしても、テレビの報道番組、特にテレビ朝日とTBSはなぜあれほど法整備反対派の集会や声ばかりを取り上げるのでしょうか。法案について何も知らず、テレビでしか雰囲気を探れない人は、世の中の人のほとんどが今回の法整備に反対しているような印象を与えてしまいます。大いなるミスリードです。
 野党も、そんなひどい法整備なら、自民党政権打倒、今すぐ解散だと叫べばいいのですが、どうもそこまではいかないようです。一度は政権を取ったことがある民主党は特にだらしない。再び自民党に代わり政権を目指すと言うなら、せめて国の基本政策である安全保障関連では対案を出し、よりよい方向を模索すべきなのに、委員会室で「憲法違反」を叫ぶだけでは情けない。この党内は、相変わらず安保政策をめぐって大きなブレがあり、まったくまとめ切れていないことを示しています。
 国会での学者陳述でも、おかしなものばかり。法政大学の山口二郎なる人は「憲法9条によって日本が戦争に巻き込まれることを防いできた」などと発言していたけど、国際政治学を学んだ人が本当にそう考えているとしたら滑稽、と言うかあきれてしまいます。侵略国、膨張主義の国は日本に憲法9条があるかどうかなど忖度しません。そんなことは関係なく、やってきます。9条が護摩符であるなら、なぜ毎日のように中国の船舶が尖閣諸島に接近してくるのか、北朝鮮はなぜ日本海でのミサイル実験を続けるのか、説明してほしい。
 実は、憲法9条はわれわれが本来国際貢献するべきところを、ずる賢くそれを逃れるために言い訳として使ってきたに過ぎません。日本は鎖国し単独で生きている国ではありません、貿易、金融、人的交流と国際的な恩恵を受けている国です。それにもかかわらず、われわれは世界の秩序、安定には関心がありません、そちらの方面は関与しませんから、勝手にやってくださいと言っているに等しい、利己主義の根拠として9条を使ってきたのです。
 東西冷戦時代、いやその後も、米国はその利己主義を許していた面がありました。しかし、中国や北朝鮮の脅威が高まり、日本自身の安全保障が現実に脅かされる状態になっている中で、もう9条の言い訳は効きません。尖閣に中国が攻めてきて、日本人は憲法9条があるから戦えない、だから米軍だけで日本を守ってくれと言えるのか。われわれが一定の意思と行動を示さない限り米国は助けてくれないし、中国を脅威と感じているASEAN諸国も「日本情けない」とそっぽを向いてしまうでしょう。
 テレビ報道に言いたいこと、山ほどあるけど、また次回。

 上の写真は、横浜みなとみらい地区に永久係留されている練習船日本丸」。薄暮の中に静かなたたずまいを見せています。