つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

”元凶”は役人の権威主義では

 2020年の東京オリンピックも、国立競技場問題に続いてエンブレム問題でまたまたケチがついてしまいました。せっかく関係者の努力の末に東京開催を獲得したのに、次々の失態は残念でなりません。でも考えようによっては、まだ5年あるのですから、やり直しは十分利きます。もう過去は問わず、雨降って地固まるの感じで心機一転したいですね。
 内人とも話していたのですが、東京開催が決まった時に出されたザハ・ハディド氏設計の新国立競技場プラン、小生にはちょっと違和感がありました。これは率直な感想で、別に何か理由があるわけではありません。でも、印象としてまず楕円形ないし円形、丸みの外景がないので、温かみが感じられなかったのです。アーチ状のものが大きく外にせり出した格好で、「いったい、これ何?」という感じでした。
 安藤忠雄氏が委員長の組織で決めたらしいけど、安藤氏はもともと実用より奇抜が売り物の建築家。今さらながら、こういう人をトップに持ってきたのが間違いではないかと思うのです。国立競技場はオリンピック1回だけの使用ではなく、その後長くさまざまなイベントに使わなくてはなりません。そうであれば、当然、外観の奇抜さより実用性を重んじて決めるべきでした。
 次にオリンピックのエンブレムの件。正直、佐野研二郎氏の作品が選ばれたというニュース番組で新エンブレムを見た時、あんまり新鮮な感じがしなかったのです。これも後出しじゃんけんのようで言いたくないのですが、これも小生の率直な感想でした。新鮮でないということは類似デザインがあると思ったのでしょう。まあその時、のちのち盗作問題にまで発展するとは考えてもいなかったのですが、、。でも、佐野氏のような一流のデザイナーにしてはお粗末な顛末でした。
 国立競技場問題とエンブレム問題で共通しているのは、安藤氏とか、佐野氏とかすでに名声を持つその道の専門家に任せ切っていたことです。この裏には、名声ある人の判断、設計ならだれからも文句が出ないだろう、こちらは何であろうとスケジュール通り着々と仕事を進めるだけと考える政府役人の権威主義、事なかれ前例主義があるように思います。財務省OBである東京オリンピック組織委委員会の武藤敏郎事務総長の態度をみると、そういう感じがしてなりません。

 上の写真は、東海道新幹線に乗った時、新富士駅辺りで見えた夏の富士山。