つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

日本人をスパイ容疑で拘束、何が狙いなの

 何だかよく分からないけど、今春から中国で4人の日本人が拘束されているとのことです。一人は遼寧省の中朝国境に行っていたらしく、もう一人は浙江省で軍事基地近くにいたらしい。あと2人は、上海と北京の市中での逮捕なので容疑も不明。こんなことをすれば、国家関係は悪くなるのは必然なのに、いったいこの国の公安当局、国家安全部は何を考えているのでしょうか。
 小生もしばしば観光という名目で中国に入り、地元の日本人と会ったり、中国人と会ったりして事実上取材をしているケースがあります。5年ほど前には、吉林省から遼寧省まで中朝国境をずっとドライブし、多くの写真も撮りました。昨年は内モンゴルに行っているし、基本的に辺境への旅が多いのです。
 寧夏回族自治区に行ったときには、大草原の中に明らかに軍施設と見られるところがあって風力発電のプロペラが並んでいたので、近寄って写真を撮ったこともあります。いや、郊外に限らず街中にも軍関係の施設はあります。どういうわけか軍施設は門柱に表札がなく、ただ近くに「軍事禁区」などの表示があるだけなのですが、、。
 意図するかどうかは別にして、旅行者が軍事禁区に近寄ることはあるでしょう。特に日本人などは、もともとスパイなどに関わるどころか、平和ボケしているのでそういうものに無頓着であり、写真を撮ることに躊躇しません。中国当局がそんな連中まで拘束するとしたら異常。小生もジャーナリストの端くれでスパイなどと縁がないのですが、昨今の中国当局のやり方を見ていると、ちょっと怖い感じがし、中国旅行に二の足を踏んでしまいます。
 そもそも中国の軍事施設と言っても一般人は建物内まで入れないのですから、写真を撮るにしても外から建物を写す程度。そのくらいがなんでスパイ行為なのか。国境地帯の写真を撮ることがなんでスパイなのか。グーグルアースでかなり明らかになっているのに。それとも旅行者は一切辺境に行ってはいけないということなのか。
 小生はかつて遼寧省の中朝国境の町丹東に行った際、写真どころか国境をまたぐ鉄橋でどのくらい車両、列車が行き来するか聞いたことがあります。これは正式に報道取材許可を申請していないけど、純粋に旅行者の関心、あるいはちょっとだけ後の記事の参考にしようと思う気持ちがあったかも知れませんが、所詮その程度の立場で聞いたものです。今では、これもアウトになるのでしょうね。
 一方で、米軍は、日本の横須賀基地に来訪した新鋭空母ドナルド・レーガンを一般公開し、船内を見学させています。軍事施設などは本来はこれくらいの余裕があって然るべきです。中国は何を恐れて過敏になっているのか。何の目的でスパイなる名目をつけて必要以上に外国人を取り締まるのか。中国分析を生業にしている小生から見ても、ちょっと理解に苦しみます。

 上の写真は、10月8日、帝国ホテルで行われた台湾・双十節祝賀パーティーの風景。台湾の友人、大勢の新聞記者時代の仲間に会いました。