つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

胃の全摘出手術から半年経った

 今年5月26日に胃がんのために入院、翌27日に胃の全摘出手術を受けて以来、きょうで丸半年になります。胃がなくなるというのはどういうことか、気持ちの整理が付かないままに手術前に悶々と時を過ごし、手術後もしばらく満足に食事ができなくて悩んだりしました。が、半年経ってみると、徐々に体調は回復している感じで、病気を患った以上やはり手術は受けてよかったのだと実感している今日このごろです。
 「胃がんの事前症状はあったのか」と多くの人から聞かれました。実は、小生は2月の健康診断でたまたまステージ1のがんが見つかったのであって、実感できる事前症状は何もなかったのです。それだけに、突然そのような病気を宣告されてかなりのショックでした。でも、手術後しみじみ振り返るに、ここ1、2年やたらと酒が強くなったことがありました。体調の変化と言えば変化だったのかも知れません。
 小生の父親はほとんど酒を飲まないし、それほどの酒飲みの家系ではないのです。ですから、それまではすぐに顔が真っ赤になって、場合によっては酒の席で眠たくなってしまうこともありました。でも、ここ1、2年、なんだか全然酔わなくなり、顔の赤みもなくなり、本来はかったるくてしょうがない2次会、3次会まで行きたくなっていたのです。アルコールは胃で吸収することからすると、胃がばかになっていたのでしょうね。
 手術後、ものが食べられなくなり、これもショックでした。なにしろ小生はもともと大飯食らいですし、噛まないで呑み込む方が食事はうまいと思っていた人間ですから、少量をよく噛んで食べる食事など嫌で嫌でしょうがなかったのです。でも、噛まなければ、小腸は受け付けませんし、最悪腸閉塞になる恐れもあります。
 さらに、手術後、食道と十二指腸をつないだ管の吻合部分の肉が盛り上がって細くなり、最少3ミリまでになったこともありました。そこで、この管を太くする施術を6、7回受けたのですが、これがまた胃カメラもどきを呑み込む大変な”作業”でして、苦しみの連続でした。10月に最後の施術を受けたあと、吻合部分の管は安定したのか、食べ物はスムーズに通っています。
 というわけで、最近、空腹を感じ食欲も出てきましたし、食事の量も徐々に増えています。もちろん、昔の量には戻れませんので、体重は15キロほど減りましたが、、。それにしても、人間の回復力はすさまじい。小腸には胃の”代用品”ができつつあるのかもしれません。体調が戻ると、いろいろな面でやる気も出てきます。もうひと人生生きたいと思うようになりました。


 上の写真は、島根県を旅行した際に乗車したJRの深夜特急サンライズ出雲」の車内風景。ベッドのあるところはB寝台で、小生が利用した空間です。