つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

時代小説の読書の秋、執筆の秋

 秋が深まり、日没が早くなりました。きょう所用があって千葉の船橋まで行って午後5時半ごろ、横浜駅に戻ってきたのですが、横須賀線で品川駅を出た辺りですでに暗くなり、武蔵小杉駅辺りでは真っ暗になってしまいました。秋の夜長とはよく言ったもので、この季節、長い夜を何で過ごすのか、どうすれば有意義に過ごせるのかと、いつも考えさせられてしまいます。
 一般に食欲の秋、勉学の秋、読書の秋などと言われます。小生、すでに胃を切除してしまっているので、大いなる食欲は望めず、多めの飲酒もままなりません。その点では一番目には期待できません。勉学の秋はなんとかなりそうですが、今、これと言って集中的に学ばなくてはならない分野もなく、その点では二番目の実践も無理そうです。
 三番目の読書の秋、これは十分。最近、とみに読書が好きになりました。それも時代小説で、この分野に関してはほぼ乱読に近い。大好きだった藤沢周平を読破してしまったということもありますが、作家を固定することなく、歴史もの、武家もの、町方もの、剣豪もの、人情ものとなんでもござれ。今、山本周五郎も読み始めていますが、彼の作品はなかなか深いですね。
 という時代小説ファンが高じて、自分自身もついに時代小説を書き始めてしまいました。読書の秋から、執筆の秋にもなっているのです。赤穂浪士のうち討ち入りに参加しなかった人を材に取った物語で、ある同人誌に掲載します。200枚以上の分量になりそう。すでに150枚ほどを書き終え、約60枚の掲載一回分を編集者に送りました。年内には刊行される予定です。
 ただ、同人誌に載せることで初めて知ったのですが、同人誌掲載には金が要るのですね。まだその額は分からないのですが、恐らく5万円を超えるだろうと予想されます。小生、ライターの端くれとして単独執筆での単行本5冊、その他共著は数えられないほどありますが、すべて原稿料をもらっての執筆。書いて金を払うというのは初めての経験なので、驚きと言うより新鮮な感じがします。
 でも、好きな時代小説、書いているとワクワク感があります。これで好きこそものの上手なれという結果になればいいのですが、そうはいかないのが世の習い。恐らく、時代小説をどれほど書いても、それで原稿料をもらえるというレベルには達しないでしょう。まさに有島武郎の生まれ出ずる悩みの心境です。

 上の写真は、本所・松坂町にある吉良上野介邸後の公園。阪急交通社主催の「江戸古地図散歩」で行きました。