つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

プロ棋士がPCに頼るって本当か

 プロ棋士三浦弘行九段が公式対局中にしばしば中座し、休憩室でスマホを操りながらコンピューターで「次の一手」を調べていたという話が出てきました。小生は、プロ棋士が不正を働いたということでなく、ついにコンピューターに教えを乞うようになったのかという意味で驚きました。
 三浦九段自身は否定していますが、恐らく彼が休憩室でスマホを見ていて、将棋盤が写った画面を眺めていたのをだれかに見られしまったのでしょうね。彼は、正々堂々と抗弁していないし、将棋連盟の処分を粛々と受け入れたところを見ると、そうなんだと思ってしまいます。
 実は、小生も将棋が好きで、大学時代休憩室で将棋部が指していたのを横で見たり、たまに将棋部の連中と指したりしていました。そんなこんなで恐らく当時は少なくとも初段くらいにはなっていたと思います。そこで、将棋部の主将から「今度大学対抗戦があるから、参加しないか」と言われ、お調子者の小生は2つ返事でOKしました。
 忘れもしない相手は立教大学の将棋部でした。いやー、私大というのは学生が多いだけに将棋の人材も豊富。小生の相手になったのは立大将棋部の中でも下のランクと思われる2段のヤツでした。小生は得意の4間の振り飛車の作戦に出、相手は居飛車で対抗してきました。
 振り飛車は捌いてなんぼの陣形ですから、4間の争いから角道を開けて角を交換しようとしました。当然相手は角交換してくるものと決めつけていましたが、驚いたことに相手は角交換を避けてきたのです。これで小生はもうしっちゃかめっちゃか、その後完全に捌きを封じられ、完敗しました。今でも忘れられない苦い思い出です。
 まあ、小生の将棋はともかく、三浦九段が本当にコンピュータに頼ったとしたら、自らの否定どころか、将棋連盟全体の否定になります。彼は団体全体を傷つけるというところまで考えたのか。そうしたリスクを踏まえても、PCに頼って勝ちたいと思ったのか。一将棋ファンの小生から見ても、本当に残念でなりません。
 それにしても、チェスは早々にコンピューターに負け、将棋も負け、一番複雑と言われた囲碁も韓国の選手が負けてしまいました。人間ってやはりコンピューターの頭脳に勝てないのか。そうであれば、いずれ人間社会はコンピューターに征服されてしまうのではないか、などと強い不安感に襲われます。

 上の写真は、「江戸古地図散歩」で行った勝海舟生誕の地。