つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

7月末は岩手、秋田の温泉三昧旅行

 先週末から今週初めにかけて、福島、山形、岩手、秋田を3泊4日で駆け足旅行してきました。福島では一泊し、山形県境の山中を歩き、そのあと岩手で友人と合流し、夏油温泉秋田県湯沢市の湯ノ沢温泉日勝館、大滝、栗駒山北西面の須川温泉栗駒山荘などで温泉三昧。久しぶりに温泉を堪能しました。
 福島、山形県境に行ったのは、今、書いている時代小説の実地調査のため。鉄道(奥羽本線)を使って山形県側の「峠」という駅まで行き、そこから「板谷」という駅までハイキングしました。旧赤穂藩家老の大野九郎兵衛が吉良上野介の米沢逃亡を防ぐために、板谷峠辺りに潜んでいたという話があり、それを題材に小説を書いているので、自分の足と目で確かめたかったのです。
 40年ほど前、山形支局にいたときにここを訪れたことがありますが、すでに記憶薄。だから、もう一度調査と思ったのですが、結論を言えば、やはり行ってよかったです。というのは、小生は、板谷峠が福島、山形県境(昔の藩境)であり、板谷集落(昔の板谷宿)はその峠を米沢側に下ったところにあるものだと思っていたのですが、実際、福島方面から来て、板谷集落は板谷峠の前にあったのです。大きな地理的錯覚を犯していました。小説は微修正が必要です。
 ところで、この山中は熊が多く生息しているところなので、出発する前に内人が随分心配していました。実際に現場では「熊出没」の注意書きが随所にあり、付近の事情を聴いた峠駅前の茶屋の人も小生に注意喚起してきました。でも、小生は、登山用のスティックを持ってきたので、「心配ご無用。もし熊が出てきたらこれで戦うつもりだ」と言っておきました。結論を言えば、熊に遭遇することなく、胸をなで下ろしました。
 熊の代わりに心配したのが集中豪雨。板谷駅舎で2時間ほど電車を待つ間に豪雨になり、奥羽本線が止まるのではないかと随分気をもみました。すると、上下線とも新幹線列車は動いており、意外にも鈍行電車も定時に来て、山形県境山中から福島駅に無事戻れました。都会に戻った安堵感からか、その夜は居酒屋で一人酒して泥酔し、駅前のビジネスホテルでバタンキュー。
 翌日、再度東北新幹線に乗って北上し、一ノ関駅で友人2人と合流。毛越寺中尊寺を参観し、そのあと岩手の名湯夏油温泉に向かいました。この名湯は、かつて若かりしころ、一人で東北ぶらぶら旅行をしていたとき、行こうと思って果たせなかったところ。今回、友人の手配で期せずして訪問が実現し、感激でした。
 夏油には沢沿いにいろいろな露天風呂がありますが、中でも有名なのが一番奥にある「大湯」という露店風呂。湯温47度ですから、とてもお湯に長く浸かることはできません。ほとんどの人は桶で熱湯を汲んで体に掛けるだけですが、小生は意を決し、とりあえず熱湯に慣れてきたところで、5秒程度浸かってみました。
 夏油元湯旅館で一泊し、大湯で朝湯に浸かったあと、秋田道を横断して秋田県南の湯沢市へ。超アルカリ温泉の湯ノ沢温泉日勝館、湯が滝になっている河原毛地獄大湯滝、近くの泥湯を相次いで踏破。さらに栗駒山ハイウエーを上り、中腹の須川温泉栗駒山荘で硫黄泉に浸かりました。湯質も効能も違う温泉を一日5カ所も巡り、さすがにぐったり。いやー、こんな温泉三昧は初めての経験でした。
 ついでに言えば、栗駒山荘の硫黄泉露天風呂から見える眺望は超一級。行った日の夕方、日本海側に沈むサンセットの中で鳥海山が浮かび上がり、感激しました。友人は「硫黄泉と絶景があるこの山荘がなぜ11月から5月初めまで閉鎖されるのか。なぜ除雪して客を呼べないのか」と憤慨していましたが、小生もできたら通年で営業したらどうかと思いました。栗駒の雪景色を見ながらの白濁温泉もまた一興です。


 上の写真は、夏油温泉の熱湯露天風呂「大湯」。ほとんどの人が外で湯を掛けているだけですが、小生は一瞬間だけ浸かってみました。