つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

元号は面倒、西暦でいいのでは

 小生が記者をしていた時に昭和天皇が逝去し、新しい元号「平成」になりました。来年5月には、現天皇が退位することで、また新しい元号に変わります。”文化”として元号は必要なのかも知れませんが、時間の経過を調べる時や諸外国の出来事と照合する時には不便この上ないです。ですから、小生は個人的には一貫して西暦を遣い、西暦で時代の変化をとらえています。さすがに、行政の方でも元号の”煩わさ”からか、来年5月から、管理システム上は西暦を使うようになるそうで、小生の感覚に近づいてきました。
 昭和のように64年という長い時間であれば、昭和の中での時の変化が分かります。ですから、小生も昭和時代には元号を意識し、結構使っていました。しかも、昭和の数字は西暦と5年違いでしたので、西暦との転換がしやすかったことも大きな理由。例えば、日航ジャンボ機が御巣鷹山で遭難したのは1985年でしたが、これは昭和60年とすぐに分かります。
 でも、平成になって元号を使うことに戸惑いを感じました。昭和64年から平成元年に変わったのは1989年。以後、即時元号―西暦間の転換が難しくなってしまいました。また、昭和53年から平成5年までは何年間というような経年の計算がすぐにできません。小生のいたメディア企業では平成に入ったあと、「これから原稿では西暦を使う。必要に応じ、西暦のあとにカッコして元号年を付け足す」とのお触れが出たので、助かりました。以後、小生は個人的にもずっと西暦を使っています。
 ただ、行政サイドはあくまで元号固執していました。毎年春行う確定申告の書類、あるいは運転免許の期限切れ年などではすべて平成何年を使っています。小生の頭の中はずっと西暦、普段平成年を意識していなので、書類を書く時、毎度内人に「今年は平成何年だっけ?」などと聞いてしまいます。こんな時にいつも、国際化を進む中で、行政サイドはなんで元号にこだわるのか、西暦でいいのではないかと思ったりしました。
 日経新聞によると、政府は来年5月1日の新元号切り替えに伴って、行政システム上は西暦使用に踏み切ることを決めたそうです。確かに、それの方が経年変化が分かりやすいので、小生の感覚からすれば、喜ばしい変化です。ただ意外にも、免許証など書面上では相変わらず元号使用を続けるとのこと。これには驚きました。今、若い世代、いや戦後生まれ全体に広げても、元号使用を歓迎する人はいるのでしょうか。だれも喜ばないと小生は思うのですが、官庁はあくまで保守的です。
 来年、天皇陛下は生存のまま退位され、皇太子殿下に引き継ぎます。この生前退位が今後恒常化するのであれば、勢い一つの元号を使う期間は短くなります。ですから、利便性からいってもう元号使用は止めにしたらいいのではないか。あくまで日本の伝統文化の一つとして付随的に使ったらどうかと思うのですが、、。


 上の写真は、岡山県備前長船刀剣博物館にある展示物。