つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

進次郎氏は将来を真剣に考え始めたようだ

 別段、自慢するわけではありませんが、小生は2回前の当ブログで、「重要ポストではないだろうが、小泉進次郎氏の入閣はあるかも」と書きましたが、当たってしまいました。まあ、マクロン仏大統領などが現在の最重要課題とする環境行政、そのトップたる環境相を重要ポストでないと言ってしまっていいのかどうかは別にして、前大臣の原田義昭氏の地味さを見る限り、日本ではそんな扱いを感じさせてきました。それはともかく、進次郎氏入閣の見立ては当てずっぽうでなく、実は小生の記者経験からのそれなりの分析、判断です。

 進次郎氏がこれまで2回の総裁選で石破茂に投票したことを、安倍が不快に思っていたことは事実。また、巷間では、30歳代の若さであるにもかかわらず注目度抜群で、次期総理期待が高いことに、いささかの嫉妬を感じていたことも間違いないでしょう。ですから、安倍は政権の座にある限り、自らのほかに目立つ存在など要らない、ことさら遠ざけるだろうというのが、永田町の普通の認識です。ただこれは、ずっぽり永田町にはまった政権寄り記者の見方。ちょっと遠くから眺めると、別の風景も見えてきます。

 進次郎氏の”変化”を最初に感じたのは、結婚報告のために菅義偉官房長官を官邸に訪ね、そのまま総理にも会って直接報告したこと。安倍―進次郎の細かなやり取りまで逐一報道されました。この時点で、小生は、総裁選以降わだかまっていた両氏の和解はできたのかなと見ました。ある報道番組によれば、昨年秋以降、つまり総裁選のあと、進次郎氏は石破寄りから離れ、安倍氏を持ち上げるような発言をしてきたと報じています。微妙にスタンスを変えてきていることに、安倍氏も好感したのでしょう。

 安倍氏が総理任期の最後の2年間、懸案の憲法改正に重点的に取り組むなら、内閣の発信力は必要です。その面では人気度の高い進次郎氏を閣僚に取り込むのは安倍氏にとってはベターな選択です。もともと安倍氏は、父親の小泉純一郎氏によって官房副長官、党幹事長などと引き上げられてきた政治家。であれば、また、息子に恩返しするのは極自然な成り行きです。そして、進次郎氏入閣をリードしたのは恐らく菅義偉官房長官でしょう。安倍氏が菅氏の力量を知るなら、彼が推薦する進次郎氏を拒否などできません。

 では、菅氏はなぜ進次郎氏を推薦するのか。進次郎氏とは同じ神奈川県選出で懇意にしており、関係も良い。そこで菅氏は、安倍氏との和解、閣僚ポストの仲介で恩を売り、進次郎氏を自派に取り込み、その人気に便乗することを考えたのではないでしょうか。あるいは、進次郎氏に「安倍の次は菅」と思わせ、そう言わしめることも意図しているのかも知れない。菅氏自身は「総理なんて少しも考えていない」などと言うけど、それは嘘。彼にとって進次郎―安倍の取り持ちによって、自らの政治力を膨らませるという大きな野心があったのです。

 進次郎氏とっても、将来総理狙いなら、事前に複数の閣僚経験は絶対必要であるし、特に30歳台の経験は願ってもないこと。また進次郎氏にとって、菅氏との協力関係は大いなるプラス以外の何物でもない。菅氏が何かの”突然変異”で総理になったとしたら、良好な関係からそのまま重要ポストを歴任できる。それより可能性が高いのは再来年秋の総裁選に自らが出馬することですが、行政機構を掌握している菅氏が参謀役として全面的にバックアップしてくれれば、鬼に金棒ということでしょう。

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 上の写真は、小生自宅近くの野毛山公園の風景。先日の台風15号は横浜付近を通ったため、大木が折れてしまいました。