つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

食堂で鼻をかむのはそんなに不快感与えるか

 かなり前、大好きな「餃子の王将」店で、珍しく餃子のほかにタンメンを注文し、食べていたところ、鼻水が出そうになったので、持参のティッシュで鼻をかみました。汁ものの熱いやつを食べると、鼻水がズルズルしてくるのは老人性なのか、ほとんど習い性になりました。それは良いのですが、その王将で「チーン」と音を立てて鼻をかんだところ、カウンターの隣にいた男が、「そんな汚いことをするなら、トイレ行ったやれよ」と注意してきたのです。

 小生はそのとき、ほう、こんなことでも気にする奴がいるんだと驚きましたが、音の大小はともかく、他人が”わざわざ”クレームを付けた以上、不快感を与えていることは事実なのでしょうから、その時は「あ、すみません」と素直に謝りました。でも、後から振り返って、食堂で鼻をかむのが一般的にそんなにおかしなことで、常識的には許されないことか、避けなければならないことか、ちょっと考え込んでしまいました。

 そこで、極めて常識人の内人にその是非を聞くと、「その程度は許容範囲ではないか」と言うのです。自身の心の内では、まだ結論は出ませんが、その後、食堂、レストランなどで鼻をかむときは、なるべく傍の人に不快感を与えないように音を低めています。でも、鼻をかむのもくしゃみをする時と一緒で、大きな音を立てないと爽快感が生まれません。何か、大好きな食べ物を食べ残すような、推理ドラマの視聴を途中で止めるような、好ましい夢の途中で起きてしまうような、小便が出きらないような、ちょっとむしゃくしゃした気持ちにさせられます。

 常識というものは、各人がそれなりの尺度を持っていて、若干の差があるのは致し方ないと思います。満員電車の中で、座っている人間が足を組んだり、投げ出していたりしたら、顰蹙ものでしょう。でも、座席に空席があるほどすいている電車の中で、そういうポーズを取るのは問題ないんじゃないか。と小生は思い、よくやっています。また、小生は酒を呑むと、足に熱を持つので、飲み屋などでは靴下を脱いでしまいます。それは食卓の下でひそかにやる行為なので、同席者には見られないから、まあ、足の臭いを出さない限り、許されるのかも知れません。

 問題は電車の中。向かい座席や隣座席に他人がいる時に靴下は脱げないので、靴からひそかに足を外し、つま先立ちの状態にするか、たまに靴下のまま靴の上に載せたりします。靴で足が締め付けられ、熱を帯びてくるとじんじんするので、ついついやってしまいます。西洋人は、公の場所で靴を脱ぐのを非常識とみなすらしいのですが、下駄と草履文化の日本人はどう見るのか。やはり、品の良くない行為とするんでしょうね。でも、靴脱ぎによる涼しい気分には勝てないのです。

 電車と言えば、最近、親が子供に外の景色を見せる時に子供の靴を脱がせないまま、座席に立たせているケースを見かけます。小生は子供の時に必ず母親から靴を脱がされた記憶があるので、ちょっと気になります。確かに、いちいち子供の靴を着脱させるのは面倒ですから、親の気持ちも分かります。中国で見掛けた風景としては、子供は当たり前のように靴のまま座席に上がっていました。中国の電車の座席は金属製で、日本のように布地ではありませんが、次に座る人は気分がよくないと思います。

 中国の”常識”の話をすれば、切りがありません。電車の中では連結器付近で子供に小便をさせるのは普通だし、道路では言わずもがな。かつて香港の人通りの多いモンコックという商店街の側溝で、大陸から来た母親が子供にうんこをさせていて問題になったことがありました。中国では子供に股割れパンツを履かせているので、大小便は”常在戦場”の構え。ですから、少なくとも子供に関してはトイレの設備は要らないということなんでしょう。中国、香港暮らしでこういうのを見てきた小生も、いささか大陸的になり、日本人の一般常識よりは”いささか”拡大解釈が多いのかも知れません。

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 上の写真は、横浜みなとみらい地区のレンガビル前広場。闊歩しているのは、恰好からして中国人女性ではなかろうか。