つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

米朝首脳、桂米朝師匠ほど魅力的でない

 「米朝」という文字や音に触れると、小生は今でも、お亡くなりになった関西落語界の大御所、桂米朝師匠のことかと思ってしまいます。トランプ大統領金正恩党委員長とも米朝師匠ほど魅力的な人物とは思われないし、この2人による米朝首脳会談なんて、所詮茶番だろうと、今一つ期待感が持てません。

 金委員長は3日前くらに北朝鮮を出発し、延々と中国を横切り、ベトナムまで汽車旅行しましたが、これはある意味立派。自分の存在を誇張していく素晴らしい宣伝方法だと思います。それだけに、こんな演出に乗るべきではないのに、日本のメディアは「今、中国のどこどこに到着した」などと逐一報じていたのにはびっくり。いったいどこの国のメディアか。汽車の行き先は決まっているのだから、途中経過などどうでもいいのではないか。

 米朝首脳会談は、非核化が先か、制裁解除が先かで論議が交わされるのでしょう。米朝間、6カ国協議など北朝鮮をめぐるこれまでの国際会議では、相手国、参加国はすぐに核廃棄を約束する北の言うことを信じて、先に好意を示します。でも残念ながら、好意に対し善意で返してくれたことはありません。米国はじめ周辺国は北に再三だまされてきました。

 今回の米朝首脳会談はきょう行われていますが、やはり期待を裏切る形になるのではないか。北が核放棄を宣言し、米などの核査察を認めたとしても、100%の査察は無理。山の中に縦横に掘り進んだ地下要塞みたいなところは案内しないだろうし、査察団が独自で行くこともできない。であれば、形式的査察になってしまい、結局、北は制裁解除だけ受けて、シメシメとほくそ笑む結果になると思います。

 トランプはそういう北朝鮮の”習性”を理解しているのだろうが、最後はやはり騙される気がする。なぜなら、彼自身はロシア疑惑で近く訴追を受ける可能性もあり、人気も下火だ。来年の大統領選挙でどうしても再選されたいと考えるなら、何らかの外交的成果を得たとの演出がこの時点で必要だからです。

 そういうトランプの境遇、民主主義国家の脆弱性を北の青年独裁者は冷静に見ています。かりあげ君は今回、恐らく「核廃棄、査察オーケー」の形式的な同意をし、トランプに花を持たせ、経済制裁解除の実益を得るのでしょう。トランプは外交成果だと大々的に喧伝し、自らの指導性を強調するでしょうが、実態は何にも変わらない。しばらく経つと、北はまた「やっぱり持ってるよ」と吹聴するに違いありません。苦労して得た”宝物”、米国と交渉できる唯一の手段を簡単に放棄するほど、かりあげ君が愚かだとは思えません。

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 上の写真は、横浜・野毛にあるある風俗店の店先の風景。