つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

50歳過ぎの男の顔には生き方、品性が出る

 元日産の会長カルロス・ゴーンという男、たいへんしたたかです。事件の本丸であるオマーンルートが東京地検に摘発され、再び自身が再逮捕されると、妻を早々に海外に脱出させました。彼は日産資金を自らの蓄財のため狡猾に還流させようとオマーンに架空会社を作っていたのですが、その会社のトップに妻を据えていたのです。だから、地検が資金還流ルート解明で事情聴取することを恐れ、妻を事前に手の届かないところに”避難”させたのでしょう。でも、これってある意味、彼自身の有罪性を高めたことにもなりますね。

 小生のような貧乏人が金持ちをうらやんで非難するのはせんなきことですが、ゴーンの人物評を改めて言っておきたいと思います。実は、日産再建問題が起き、彼を最初にテレビで見た時、目つきのいかがわしさから、品性の劣る人間ではないかと直観しました。これを言うと、後出しじゃんけんになるので止めますが、小生も長い間記者をしてきたので、それなりに人を見る目はあるつもりです。やはり50歳を過ぎると、生き方、品性が顔に出るものです。

 彼の生い立ちは日本経済新聞の「私の履歴書」で承知しています。もともとレバノン生まれでブラジルに移住、豊かな家庭の出身ではないようです。その後フランスで学業を修め、ミシュランに入社して頭角を表し、幹部まで行きました。頭脳明晰で、マネジング能力はある人なんでしょう。

 小生は大企業のトップになる人がそれなりの収入を得ることに反対しませんが、少なくとも大企業の公共性、社会性を考えれば、無欲恬淡とするような品性が重要かと思います。第一、自分の社のトップが個人の蓄財に明け暮れていたら、部下、社員はうんざりします。そんな蓄財男に、部下は敬意を払えず、服従することなどできません。

 年収1億円以上の報酬、その上に闇で金を貯めてどうするのか。小生のダジャレ好きの友人は、「ゴーン氏はあんな大量の金をどこに隠していたんだろう」「それはきっと家の中に決まっているだろう」「じゃー、家のどこ?」「それはタンスの中さ。タンスにゴーンというだろう」という新ネタを作っていました。この闇資金の行方はいずれ地検によって明らかにされるでしょう。

 そもそも日産のような大企業がどうしてルノーという外国企業に買収され、外国人に経営を任せたのか。過去にフォードに頼ったマツダや台湾の鴻海企業に買われたシャープのケースもありましたが、小生からすると、いまいち海外企業に頼る理由が分かりません。資金力か、それとも経営能力の問題か。大勢の社員を雇う企業は国家の重要なコマであり、財産ではある以上、政府が主導して自国資産で再建しても良かったのではないかとしみじみ思います。

f:id:higurashi-takanori:20190408112343j:plain

上の写真は、小生自宅近くの横浜・大岡側沿いの桜をバックにしたワンショット。一緒に写っているのはかつて石垣島に一緒に旅行した仲間。