つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「れいわ新選組」、こんな政策で総選挙を戦うのか

 昔、香取慎吾主演の大河ドラマ新選組!」で、山本太郎氏は、十番隊長で槍の名人の原田左之助を演じていました。小生は、新選組ファン、その中でも二番隊長の永倉新八に心酔していて、今、永倉を主人公にした時代小説を書いています。その永倉が局内で親しく付き合ったのが原田でした。永倉は松前藩で江戸常勤(江戸定府取次)の中堅武士の子。一方、原田は松山藩足軽の出身。身分差があっても、新選組内では何かウマが合って2人は仲良くしていたらしいです。ですから、大河ドラマでも、永倉役の山口智充氏といつも一緒にいた山本太郎は強い印象が残っています。

 その山本氏が政治の世界に打って出たのは驚きました。昨今、参院選などでは、既成政党に乗せられて比例代表狙いのタレントが出馬することがよくあります。彼らはそれまでただの一度も憲法など読んだこともないし、法案成立の仕組み、国際政治の現状など何も知らないでしょう。そんな人がいきなり国会議員になる我が国に、いやそんな人まで引っ張り出してくる政党にほどほどあきれてしまうけど、それはそれで投票する人がいるのだから致し方ないのでしょう。

 ところが、山本太郎の政界進出は既成政党の枠組みではなかった。6年前には東京選挙区で無所属、今回は「れいわ新選組」なる政党模様の団体を作って出馬しました。その点では、確かに立派。しかも今回、重症な身障者2人を比例名簿の上位に挙げ、自らの当選を犠牲にしてまで当選させました。自らの肉体で十分な活動ができない人を議員にすることの是非はともかく、彼が国会議員の在り方に一石を投じたことはそれなりに評価されるべきでしょう。いわゆる只者でない、単なるタレント候補でない、という印象を持っています。

 参院選が終わって政党支持率共同通信が調査したところ、れいわ新選組は前回から2ポイントくらいアップして4・3%を獲得し、共産党と並んだとか。驚きの急上昇です。若者世代が多く支持したようです。ちなみに、小生の出身である時事通信の調査では、れいわ新選組は1%程度のとのこと。どちらが正しいか不明ですが、いずれにしても参院選で2議席獲った勢いは衰えていないようです。

 小生は、山本太郎氏一人なら何を言おうと、それなりに国会に強いインパクトを与えて存在意義があるなと思っていましたが、彼は今度は衆院選(総選挙)にも「れいわ」を大量出馬させる意向を表明しています。そうなると、政権選択の選挙ですから、やはり彼らがどういう政策を掲げているのか、どういう社会実現を目指しているのかというのが大いに気になります。そこで、下にある彼らの(それとも山本一人か)政見を見ました。

 正直言って共産党の政策とほとんど同じ。外交政策については何も書かれていない。手前勝手の美味しい話ばかり。だから今、彼らの存在にインパクトがある分、社共という既存政党の支持から転向する人が多くなっているのでしょう。つまり、もともと一定数ある反自民勢力の細分化にすぎないのかも知れません。まあ、毎度同じ批判になってしまいますが、「れいわ」の主張も「税金は上げるな、福祉は充実しろ」という既成政党の実現不可能な主張の枠を出ていません。

 最低賃金一律1500円は結構アルバイトをしている若者受けするでしょうが、これも経済の仕組みを知る人間からすればすぐに荒唐無稽なものかが分かってしまいます。隣の韓国の文在寅左翼政権も支持団体の労働団体の圧力を受けて最低賃金をここ2年ほど上げ続けていますが、そのために中小企業が雇用を抑え、失業率が高まっています。最低賃金というのは、その国の富の蓄積や経済成長の伸びに連れて上がっていくもので、それなしに賃金上昇させても雇用状況を悪化させるか、またはインフレになるかの結末しかありません。

 公務員増は社会主義化の道ですね。これもすでに中国、ソ連、さらにはEUの中のギリシャなどで見られた現象で、歴史上、失敗という結果で検証されています。奨学金政令、借金チャラの思想も若者受けするでしょうね。美味しい過ぎて涙が出ます。でも、チャラをやり過ぎると、政府の財政赤字が増すばかりか、民間の金融機関が貸し渋りに動き、金が回らなくなります。その素人だましの政策を掲げて「れいわ」は衆院選に打って出るというのですか、大変迷惑な話です。 f:id:higurashi-takanori:20190727101252j:plain

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