つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

父親に逆らってこのザマか、大塚家具娘社長

 13日の朝刊を読んでいたら、大塚家具がヤマダ電機の子会社になったというニュースが載っていました。それ見たことかというのが正直な印象です。有能な企業創設者の父親に逆らって、無理やり父親の会社を乗っ取り、父親の経営方針を換えたところまでは勇ましかったのですが、結局は赤字続き。単独で経営できなくなったのです。テレビなどには、相変わらずあのさかしげな女社長の顔が出てきますが、何の反省もしてない様子。相当に愚かな、史上最低の”二世”経営者ということになりますね。

 大塚家具を創設した先代社長は、高級路線をひた走っていました。すなわち、「大塚家具」と言えば豪邸にふさわしい高級家具というブランドを作り、顧客を会員制にして客が店に来ると、社員がマンツーマンで対応するというようなビジネスをしていました。これは一つの素晴らしい商法だと思います。イケヤやアイリスオーヤマニトリのような廉価の家具チェーン店も出てきた中で、異彩を放っていたと思います。

 それなのに、会社を引き継いだ娘の経営者は高級路線から廉価の大衆路線に換えてしまったのです。娘社長は当時、路線変更してどういう目論みがあったのだろうか。大学で学んだ机上の論(空論?)を実際の場で実践してみたくなったのか。詳しくは存じませんが、常識的に考えれば、すでに全国にチェーン展開しているニトリなどと廉価競争できるわけないと思われるのですが、彼女はこの競争に勝てると踏んだようです。経験値から見れば、実に愚かな判断です。

 創設者の父親は、その業界では百戦錬磨ですから、彼我の関係がよく分かる。もちろん娘の路線変更に反対したのでしょう。が、それに対し、娘が取った行動は、株式を集めて経営権を握り、経営陣の一端にいた父親を追い出してしまったのです。以前、このブログでも書いたことがありますが、大塚家具をそれなりの一流企業に育て上げた有能な経営者、それも本来尊敬すべき父親を、親娘の縁を切ってまで追い出すという仕儀は普通の感覚では考えられません。

 それでも、経営がうまくいったなら、いや、当時の売り上げさえ維持できたなら、それなりに評価はされたでしょう。残念ながら、大方が予想した通りの赤字続きで、銀行からも見放されたのです。業界を知らない、客のニーズも分からない、所詮素人のビジネス、武士の商法だったのでしょうね。一方、追い出された父親の方は、「匠大塚」なる新しい店を展開し、高級路線を復活させ、業績好調のようです。やはり、経営感覚は父親の方が数段上でした。

 今、娘社長の胸のうちはどんななのだろう。父親に逆らったことを後悔しているのか、それとも尖ったままか。少なくとも、あの冷たそうなのっぺらぼうの顔からして、反省はしているようには見えません。振り返れば、優秀な企業を駄目にした実に悲しい家庭騒動、醜い親娘の争いでした。

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 上の写真は、京都・東山から祇園方向に流れる白川。綺麗な水が勢いよく流れていました。