つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

自粛警察あれば自粛破りもありで、人それぞれ

 先週の土曜日、香港時代の山仲間5人が、そのうちの一人の自宅に集まって酒盛りをしました。このメンバーでは、オンライン飲み会のツール「たくのむ」を使って”宴会”を開いたこともあったのですが、オンラインでは今いち意思疎通に問題があり、気分が乗らず、不満足なままで終わりました。そこで、先週末はまだ非常事態宣言の期間中でありながらも、個人宅ならいいだろうということで集まりました。三密を作ったことに変わりなく、その点はご容赦いただきたいが、やはり、直にツラを突き合わせて飲む酒の方がオンラインより楽しい。それを改めて実感しました。

 この席上、メンバーから聞いた話なのですが、世間には「自粛警察」なるものが本当に存在するんですね。彼が街中でマスクをしていないで歩いていたら、前から歩いてきた見ず知らずの男性がいきなり指で顔を差し、言葉は発しないながら、「お前はなぜ外に出る時にマスクをしないんだ」という素振りだったというのです。この指差し男性は何を思って、何の目的でこんなことをするのか。まったくの善意か、公憤か。それとも、単に面白おかしくてやっているだけか、真意が分からない。

 満員電車でもないのですから、非マスクマンを危ないと感じるのなら、本人がそばに寄らなければ済む話であり、なにもわざわざ指摘しなくても良いこと。路上のマスク着用はあくまで個人の自由、現時点の日本では法的に義務化されていないのだから、正々堂々と追及することはできないはずです。夜間にほとんど車が走っていない横断歩道が赤になっている時、小生なら左右をよく見て渡ってしまうけど、こんな時にも「赤信号横断は止めろ」と叫ぶ御仁もいて、これにちょっと似ています。でも、赤信号横断ならまだ道交法違反なので指摘は正当かも知れませんが、非マスクマンへの注意は、はっきり言って余計なお世話でしょう。

 テレビのワイドショーを見ていると、世間が自粛している時にレストランや居酒屋で店を開いているところがあると、わざわざ電話したり、深夜にその店に行って「止めろ。宣言期間を守れ」と入り口に張り紙をする人がいるそうな。張り紙する本人と店とは何の利害関係がないと思われるので、異常な干渉です。公園の砂場などで子供が遊んでいると、そこに異質物を投げ込んで使えないようにする人もいるとのこと。これも実行者には一銭の得にもならない、くたびれ儲け、自己満足の「自粛警察」行為です。それほど”悪”退治に使命感を感じているのか、それとも他人をいたぶるのが楽しいだけなのか。

 私人による過度の自粛警察もいれば、逆に公的な自粛要請を徹底的に無視するところもありました。例の最後まで自粛要請に応じなかったパチンコ店。自治体は最後は店名公開に踏み切りましたが、それにも動ぜず、「悪名もむしろ宣伝」とうそぶき、喜ぶ店もあったとか。世の中いろいろです。店側は「日銭が欲しい」ということで営業を止められない事情があるのかも知れません。だが、博打に興味ない小生からすると、滑稽に見えて理解できなかったのは、そういう店にわざわざ他県から来て、早朝から列をなして遊ぼうとする人たちです。

 たかがパチンコ、そんなに面白いのか、自粛が言われている中、自動車を飛ばしてきて、並んでまで遊ぶ値打ちがあるものかと思うけど、これも人それぞれの趣味の問題なんでしょうね。強制力がありませんから、「カラスの勝手でしょう」と言われてしまえば、返す言葉がありません。で、今日から非常事態宣言が全国的に解除されて、自粛状況がなくなりました。解除されたからといっても、周辺にコロナウイルスがいることに変わりない。われわれは神経質にもならず、開放的にもならず、それなりの注意をもって長くコロナと共存し、生活していくしかありません。

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 上の写真は、伊勢佐木町モール近くの福富町にある朝鮮焼き肉店店頭で、寄付金集めをしているカエルの飾り物。