つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

確信犯的あまのじゃくか、単なる愚か者か

 世の中、一般人と協調することを嫌がるいわゆる異色の人、変人、異端児、あまのじゃくが数多いことは承知していますが、飛行機のキャビン内でマスク着用を拒否し、挙げ句それを求めるキャビンアテンダント(CA)と口論して、途中で降ろされる人が出たのには驚きました。意地を張ることは時には必要ですが、この男はどう考えてもつまらない意地を張ったとしか思えない。今後、大きな損害賠償を請求されそうで、彼の行動はそういう損得勘定までを考えに入れた確信犯的なものだったのか、あるいはその場の感情に任せての行動だったのか。

 9月7日の話。釧路空港から関西空港に向かうピーチアビエーション、つまりLCCに搭乗した男は出発前から同航空会社の「要請」事項であるにもかかわらずマスクを付けていない。離陸したあと他の客が嫌がっても席の移動に応じず、そのために他の客人が移動。マスク着用を再三求められても拒否、CAから「警告書を渡す」と言うと「やれるものならやってみろ」「侮辱罪だ」などと大声を出したとか。そのため、当該機は途中の新潟空港に臨時着陸し、男を降ろしたので、結局、関空到着に2時間15分の遅れが出たそうです。

 小生、このニュースを聞いて最初に思ったのは、臨時着陸を招く事態を引き起こすほどのこの男の依怙地ぶりはどういうところから来ているのか、理由は何なのかという点。欧米などでは純粋にマスクを拒否するある種の思想集団がいて、集会を開き、デモまでしています。彼はその類いの人か。でも、それでは席の移動拒否はよく分からない。単純にCAの言い方、対応に腹を立てただけか。それとも見境のない単なる愚か者のあまのじゃくか。それにしても、つまらない意地張りだったと思います。

 今、街でもマスク着用が「要請」か「義務」かでもめるケースがあります。他人に対し、過剰に強要する「自粛警察」「マスク監視員」がいることも事実で、小生などはあまり好ましいとは思っていません。日本の場合、法律では縛れないので、あくまで「要請」なんでしょうから。でも乗り物内は違います。航空法では「安全阻害行為」は禁止されていて、その規範の判断は機内を支配する機長にあります。その機長の指示に従わないのであれば、航空法違反です。さらに、途中の着陸により他の乗客の迷惑になったのですから、威力業務妨害罪に問われることもありましょう。

 となると、素直に機内ルールに従わなかったこの迷惑男は飛んでもないマイナスを背負わなければならないことになります。取りあえず当日、新潟空港から関空まで、あるいは関西の目的地まで自費で行くことになったのでしょうから、出費増になりました。彼の名は今後恐らく、航空各社の間でブラックリストとして回覧されるので、ピーチに限らず、どこの航空会社も乗せたがりません。となると、彼が釧路に住んでいるのであれば、今後本州に来る場合、延々と陸路を使わざるを得なくなります。

 加えて、威力業務妨害罪が成立するならば、航空会社から損害賠償を請求されるでしょう。新潟空港での着陸料、他の乗客への遅延の損害補償などなど、ばかにならない額です。こう言っては何ですが、この迷惑男、LCCなどに搭乗するのですから、金をしこたま持っているようには思えません。であれば、今後彼にかかるご難は大変なことになるのかも知れません。ですから、ジャーナリストの端くれである小生としては、心底知りたいのは、マスク着用を拒否した彼の真の理由。後難の負担まで覚悟したかどうかも含めて。

f:id:higurashi-takanori:20200910220844j:plain

 上の写真は、同じマンションの飲み仲間と野毛で飲んだ時に紹介された焼酎。彼が好んでいる一品で、料理屋でキープし続けているとのこと。実にうまかった。