つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

部屋ごと休場者、番付据え置きでいいのか

 米国東部時間の今日20日昼で、トランプ政権は終焉します。別段バンデンに期待しているわけでなく、「any one but Trump」で、彼以外ならだれでも良いといった感じ。歴史に悪名を残すほどの品性下劣な政治家が去って本当に良かったと世界のほとんどの人が思っているのではないでしょうか。国会議事堂に乱入したごろつきなど一部の熱狂的な支持者を除いて。でも、良い悪いは別にしてトランプが政策的に独自性を示したことは否定できないので、引き継いだバイデンが国際協調を見せながらも、どんな”個性”を示すのか見ものです。

 で、米国のことは後日に譲るとして、話題を急に両国国技館に振り向けます。大相撲初場所の話。本来はにぎにぎしくあるべき幕開けなのに、中身はなんとお粗末なことか。毎度おなじみの両横綱の休場に加えて、新型コロナウイルス感染で、4つの部屋の力士が全休しました。それで、炎鵬、石浦、さらには丸ポチャデブの千代丸など個性的な力士の取り組みが見られなくなりました。九重部屋は関取が多く、すべて千代何とかというしこ名で目立っていましたから、千代何とかが一人も出てこないと本当にさみしい感じがします。

 まあ、他者への感染防止の上からの緊急避難的措置であり、部屋ごとの集団休場はやむを得ないと思います。でも問題は来場所の番付の扱いですね。昨年秋場所は、玉ノ井部屋が集団感染したので部屋力士全員が休場し、それで11月場所は番付は元の位置のまま据え置きとなりました。これはある意味格段の厚遇で、相撲界全体から見れば著しい不平等だと思います。本人は感染していないのに、部屋ごと休場に巻き込まれ、出たくても出られなかった力士の据え置きはまあまあ認められるにしても、油断して感染した本人まで厚遇する必要があるのか。

 今初場所、強制休場させられた4つの部屋の力士は全員で60人以上、関取だけでも17人いるそうですが、次の春場所番付で彼らを全員据え置きにしたら、他の部屋の力士は怒るのではないでしょうか。前にも触れましたが、年6場所90日間の激闘は辛い。怪我して回復途上にある人などは、1場所でも地位に変動がない不出場場所があるのはハッピーなことでしょう。で、今、怪我による公傷制度がないのですから、感染休場者も怪我人と同等の扱いにすべきです。15日間黒星とみなすのは無理としても、感染者の番付は一定の横並びで下げるべきです。

 お粗末さと言えば、最初から出場しない横綱が第一でしょうが、出場組の中でひどいのが大関貴景勝。先場所優勝し、横綱への期待を持たせたのに、初日からの連戦連敗、挙句に途中休場とはあきれ果てました。先場所あれだけ素晴らしい押し相撲を見せた人が、なんでこんなに極端に変わってしまうのか。まあ、昔から「押し相撲はツラ相撲」と言われ、勝つときは連戦連勝だけど、負け始めると連戦連敗となる傾向があります。つまり、勝ち負けが連なる。四つ相撲の力士に比べ成績が安定しない。ですから、押し相撲では横綱になりにくいという説があります。貴景勝への期待もあるいは過度だったのかも知れません。

 今、押し相撲で気を吐いているのは前頭筆頭の大栄翔です。彼の取り口は外連味がまったく感じられず、ひたすら押しに徹しているところが素晴らしい。顔も貴景勝のように何を考えているのか分からない顔でなく、まったく”一途”で純な感じがあって魅力的です。今場所の彼の押し相撲は完璧で、恐らく優勝するのではないでしょうか。でも、来場所が心配。貴景勝のように負のツラ相撲にならないよう祈っています。

 上の写真は、昨年11月場所で見た貴景勝。この場所は調子良かったけど、ちょっと太りすぎの印象。上半身がこれでは必ずひざを痛める。