つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

菅総理不人気の原因は笑顔がないこと

 菅義偉総理大臣は、横浜の小生が住む選挙区であり、ぜひ頑張って欲しいと思いますが、どうも状況は厳しいようです。内閣支持率、まあ首相の人気度ですが、共同通信の調査では支持が41%、不支持が47%。朝日新聞の調査では、支持が33%、不支持が47%とのこと。まあ、政府・自民党に批判的な朝日のことですから、意図的な質問方法をして不支持に誘導していることと思いますが、それにしてもこの数字は尋常ではありません。冷静に見て菅総理の不人気は確実で、彼を看板に据えた総選挙では、何だか自民党がぼろ負けしそうな感じがします。

 でも、安倍前総理は早々と「菅支持」を打ち出しましたし、麻生や二階などの重鎮も菅続投に賛成しています。まあ、これはそれなりに理解できます。菅のような70歳台の総理がいるから、80歳台の2人が副総理、幹事長で頑張れるのであって、これが次の世代になれば、彼らもお払い箱になってしまうと思っているからです。でも、これってまったく個人的な理由。日本国、いや自民党自体のことさえ考えているようには見えません。安倍も同じように、モリカケ問題を引きずっているので、政治家でいる間は、モリカケを擁護する菅が必要であるのです。

 枝野幸男立民党代表が最近、「6月解散、7月総選挙」を言いだしました。我に利あり、何となく勝てそうだとの見込みを持っているからでしょう。7月は都議選があり、公明党有権者の東京集中を謀る狙いから総選挙をやりたくない時期。ということはやられたら困るという時期であり、立民としては逆にこの時期がいいのでしょう。でも、自民、公明の意思で、選挙は9月になるのはほぼ確実だと思います。現衆院議員の任期は10月21日までですから、そうなると、菅政権にとってはかなり追い込まれ選挙になりますね。追い込まれ選挙は”負け試合”と相場は決まっています。

 総選挙はたぶん9月で、まだ3カ月の余地がありますから、何が起きるか分かりませんが、今の菅の不人気から考えれば、自民党衆院議員は菅の顔で総選挙を戦うのはいやだと思っていることでしょう。では、今、次の頭をだれにするか、各議員は神輿で担ぐ人を必死に探している段階だと思います。世情人気が高いのが河野太郎で、日経新聞によれば25%、ほぼ4人に1人の支持があるとか。

 ちなみに、次点が石破茂で16%、3位が小泉進次郎で13%、驚くことに、昨年病気で辞めた安倍晋三が7%と4位に付けている。いずれもこれまでずっと出ている顔ぶれで新鮮味なはない。帯に短し、たすきに長しという印象です。それにしても、前総理が4位とは異常現象ではないですか?では、現総理はどうかと言えば、5位の岸田文雄に次いで6位と後塵を拝し、わずか4%の支持率とか。

 なぜ、これほどまでに菅総理に人気が出ないのか。巷間、コロナ対策の不首尾が原因のように言われていますが、そうではない。コロナ対策なんて、強制力が発動できない、ワクチン、特効薬が国内で作れないなど、今の日本の基本的な条件からすれば、だれがやっても一緒です。菅不人気を一言で言えば、顔に明るさ、笑顔がないということが大きな理由かと思います。つまらないことですが、トップリーダーは余裕の顔で大衆に安心感を与えることが一番大事なのです。

 このコロナ禍で皆が意気消沈、しょぼっとしている時に、首相まで暗い顔をされてはたまったものではない。安倍もあまり笑顔があった方ではないが、何か先行きを楽観視している(ノー天気の感じもありましたが、、)雰囲気を見せていたので、なぜか安心感を与えました。それに比べ、菅がしかめっ面で、非常事態宣言を延長し、「国民の皆さんよ、もう少し我慢してください」などと言うと、こちらの気分はますます滅入ってしまいます。

 こんな不人気原因は彼自身の政治的な能力とは関係ないと思いますが、これが衆愚的民主主義の真実です。ですから、菅総理は今後の記者会見で、安心させるような心から嬉しそうな笑顔を見せて欲しい。こんな時に手放し笑顔なんてあり得ないとお思いでしょうが、大衆は逆に総理の破顔の笑みで救われるものです。笑顔で大衆を安心させることができないのであれば、トップ交代もまたやむを得ない選択肢なのかも知れません。

上の写真は、友人の5歳のお孫さんが描いた前衛画。何かピカソを彷彿させるようで、素晴らしい作品です。