つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

菅直人発言問題は維新に有利に展開している

 「痛みや悲しみは時が解決する」という言葉がありますが、確かに、手術後七転八倒していた腹の中の傷痕の痛みは、術後7日も経つとかなり和らいできました。ですから、今日などは、退院後きちんと歩けるように、病院内の休憩談話室内を行き来して足腰の鍛錬に努めました。医師から4日に退院を告げられており、入院生活もあと残すところ3日となりました。それにしても、病院の賄いメシがまずく、これだけでも気が滅入ってしまいます。毎日、ステーキを出せとは言いませんが、温かさ、味付けにもう少し工夫があってもよいかなと思います。

 ところで、菅直人元首相が自身のツイッターで、「コメンテーター橋下徹氏の弁舌の巧みさは、ヒットラーを思い起こす」というような言葉をツイートしたとのこと。言葉の巧みさという点では天才的な演説家ヒットラーを引き合いに出しているので一見、誉め言葉のように映りましょう。が、欧州で戦端を開き、ユダヤ人を大量虐殺したヒットラーに橋下氏を関連付けたというのは、明らかに別の意図があるように思われます。コメンテーターとして影響力を持つ橋下氏を貶め、ひいては日本維新の会を攻撃する”効果”を狙ったということでしょう。

 立憲民主党は今、政党支持率世論調査で明らかに日本維新の会の後塵を拝している。であれば、今、維新が直接最大の攻撃目標。この政党さえたたけば、必然的に立民の評価が上に行くとでも菅は考えたのでしょうか。失礼ながら、実に面白い狙いだけと、よくよく見れば、実に姑息で、浅はかな作戦。むしろ逆効果でしかないと思えてなりません。菅直人自身がすでにあの大震災当時の首相としてハンドリングのまずさから、国民の評価を得ていない。そんな人が今さら、発言したところで何の影響力も発揮しえない。それどころか、ヒットラーの引用は世間的にタブーであり、それを敢えて出したのは愚かとしか言いようがない。

 事実、状況は完全に維新、橋下徹側に有利に展開している。菅発言に対し、橋下はすごく鷹揚に対応しました。これは、実に立派な大人の態度。維新の会と結び付けつけたことで、さすがに同党は菅に対し抗議に出ましたが、これはこれで相手にボールを投げ返し、事態を膨らませる高等戦術。維新はこの問題が長引いても何も困らないどころか、菅や立民の狼狽ぶりを”楽しんで”、内心ハッピーでしょう。菅事務所はこの抗議に対し、「謝る必要はない。さっさと立ち去れ」などと言ったとか。これでさらにこの人の馬鹿さ加減が証明されてしまいました。

 昨日、BSフジの夜の番組プライムニュースに出た立民の泉健太代表は、菅側の対応に対し同じ党内の重鎮ということで批判もできず、擁護もしなかった。明らかに困惑の様子が垣間見られました。菅直人とは路線の違う人なので当然の反応だが、この問題から距離を置き、早く収拾してほしいとの思いが伝わってきました。泉としては、まずい、苦々しい事態と感じているのでしょう。

 いずれにしても、政党支持率を問う次回の世論調査の結果が楽しみです。菅の強行突破作戦が蛇と出るかへびと出るか。謝罪のなさ、つまり度量の狭さが支持率にどう影響するか。世の中、強気一辺倒というのは、本人にとっては心地良いが、他人が見るとむしろ評価を下げてしまうケースが往々に見られます。もう政治家として”上がり”の菅はともかく、泉・立民本部がこれから政権を取るという強い思いがあるのなら、謙虚さも、鷹揚さも政党の魅力に結びつくことを理解してもらいたいと思います。

 上の写真は、けいゆう病院9階(7階から移動)の部屋から見える横浜みなとみらいの港湾風景と久しぶりの入院生活にうなだれる小生。