つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

BS「小さな村の物語」が実に良い味出してる

 12日間、病院に入っていて、昨日4日、退院しました。我が家に帰り、自分のベッドで寝るとなぜか落ち着くのです。内人が言うには、自分では分からないが恐らく部屋の中や布団に自分の臭いが染みついていて、それがアットホームな気分にさせるんだろうとのことでした。確かにそうなんでしょうね。臭い(匂い?)とか、色彩とか、持ち物の配置とか、普段慣れ親しんでいるものだから、すごくリラックスできる。逆に、病院にいると、あれもないこれもないと、ないない尽くし。特に、小生はエアコン暖房が嫌いなので、これだけでも相当なストレスでした。

 閑話休題。昨今の地上波テレビはおよそ面白い番組がないですね。とりわけ夜のゴールデンタイムの時には各局とも、なんだか複数の2人組漫才師を登場させ、安づくりで賑やかしだけのバラエティー番組ばかり。毒にも薬にもならない、よくもこんなものばかり作るなといった印象しかありません。若者がこんなものばかり見せられては、(池上彰の情報番組は別にして)およそ自国のこと、世界のことなど考えないであろうなと思えてなりません。ちょっと古い言葉ですが、「一億総白痴化」を招きかねない傾向です。

 それに比べて、各局ともBS波は充実した番組が多いです。TBSもフジも日テレも、政治、社会、世界情勢をテーマにした2時間程度の討論番組を持っている。夜、これを見るだけでも十分に価値があるが、そのほかNHKも民放も歴史を掘り下げたものが多い。中でも内人、小生が好きなのは「英雄たちの選択」。これは歴史の一局面で執政者がなぜそういう判断を下したかを学者らが分析するもので、出色だと思います。歴史鑑定とか、関口宏保阪正康の「もう一度、近現代史」も見応えがあります。

 好事家的に言えば、小生は大相撲のファンなので、NHKBSが場所ごとに午後1時から放送開始、三段目上位の取組から見せてくれるのがいい。もっとも、小生が見始めるのは幕下の最後の取り組みくらいからですが、この辺りの取り組みは給与がもられる十両を目指して各力士が必死なので、実に見応えがあります。もちろん、炎鵬や白鷹山がいる十両も見逃せません。十両番付下位の人は、無給の幕下に下がれないのでこれまた必死の様子で、幕下上位との入れ替え戦のような取り組みには特に見応えがあります。

 小生、BSの番組の中でも一番好きで、欠かさず見ているのが日テレの「小さな村の物語・イタリア」。毎回、イタリア各地の小さな村を別個に取り上げ、そこで暮らす村人2人をクローズアップ。その人の経歴、生き方、生活模様を紹介するのですが、どの人も村に住むことに誇りを持ち、生活をエンジョイしており、ほのぼのとして心地良い。視聴後、何となくその村に行ってみたいなと思わせる番組です。

 この番組を見ていると、欧州というところは、田舎であっても実に充実した生活をしているなという印象、それは精神的にも物質的にも。イタリアは欧州の中でも貧乏国と言われているが、どっこい歴史が刻んだ豊かさはやはり半端でない。自由で楽しい暮らしとは、こうしたコミュニティーの中で初めて成り立つものなのかも知れません。この番組をまた引き立てているのは、最初と最後に出てくる女性独唱の音楽でもあります。

 ところで、各局とも、地上波とBSの番組構成をこうも大胆に変えているのはどういう意図なんだろう。地上波は子供、主婦向け、BSは教養人、大人向けという狙いがあるのかな。まあ、“教養番組”ばかりの独裁国北朝鮮、中国の真似をしろとは言わないが、地上波のせめて一億総白痴化の番組だけは止めにしてもらいたい。

 上の写真は、町田市奥地の山間にある「ショパン」というライブハウス。