つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

岸田は一点豪華主義の政策実現を目指すべき

 小学校時代の標語に「廊下は静かに歩きましょう」というのがあったけど、今は「ろうかは静かに」はそのままですが、後ろの方は若干微妙。「老化は静かにやってくる」というのが偽らざる実感です。60歳台では一人でも山登りに行こうと思うほど元気でしたが、古希を越えるともうそういう気力も薄れてきます。今日午前に散歩に出てみなとみらい地区を一回りしてきたら、それだけでぐったりしてしまい、午後に机に向かっても居眠りが出る始末です。いわゆる歳には勝てないということなんでしょうか。

 それはともかく、岸田首相への支持率が一段と降下しています。いつも辛口の評価が出るANN、朝日新聞世論調査では、支持が30.5%、不支持が44・7%、毎日新聞系では支持31%、不支持はそのちょうど2倍の62%だとのこと。テレビの解説者は「まだ3割あるから大丈夫」などと言っていましたが、小生はかなり厳しい状況にあるのではないかと思います。まあ、現在は臨時国会の真っ最中、しかも来年度予算編成が進んでいる時期であり、現時点で政局になるわけではないでしょう。

 でも、来年になると分かりません。春に統一地方選があるので、岸田の人気がこのままであれば、来年度予算案が国会を通過したあとに、地方から「岸田降ろし」の声が出るかも知れません。統一地方選自民党候補が苦戦すれば、さらに岸田忌避ムードは高まり、来春、特に臨時国会が終わるころには党内政局になる可能性が大です。ついでに、So who is the next?ですが、メディアの調査では一番人気が河野太郎、2番人気が高市早苗、3番目がなんと石破茂とのこと。前2人はともかく石破氏はもう過去の人という感じがしますが……。

 岸田はなぜ人気がないのか。昨今の状況を見ると、閣僚3人が相次いで更迭されるなどスキャンダルが続出していることが大きな原因。これは、夏の参院選後の内閣改造でいわゆる閣僚の身体検査が不十分であったのです。中でも、法務大臣になった男が、「自分が注目されるのは死刑の執行にハンコを押したあとの昼のニュースだけだ」などとおよそ人命に対する尊厳のなさを示したことには驚きました。こんなセリフを吐く人がよくも国会議員、いわゆる選良になっていたものかとあきれてしまいます。

 でも、岸田の不人気はそれだけではない。前にも書いたけど、岸田は総理になったあと何をしたいかという方向性、政策提言がほとんない見られないことです。要は総理になることだけが目的の人。新しい資本主義などというあいまいな言葉でごまかしていましたが、これはほんとんどの国民には訴える力を持たない。小泉の「郵政民営化」、安倍の自衛隊憲法に明記する「憲法改正」、専制主義に対抗して打ち出した「自由で開かれたインド、太平洋」というコンセプトの方がはるかに良い。菅も携帯電話料金の引き下げ、不妊治療の保険適用などと具体的な政策で、より分かりやすく、説得力がありました。

 岸田は昨今、ああでもない、こうでもないという形でその場しのぎの対処療法的な立ち振る舞いばかり。これでは人気は上がらない。何か分かりやすい政策を示し、「すべてこの政策実現に内閣の命運をかける」という一点豪華主義の政策遂行に邁進するべきでしょう。国民はその政策を支持するかどうかは別にして、小泉の郵政民営化のように総理が死に物狂いで政策実現しようとする姿勢を見せれば、それなりに魅力を感じるものです。岸田総理よ、老化はまだ早い。

 上の写真は、横浜みなとみらい地区の夜景と中華街の風景。ビルのライトアップがニコニコマークであるのが面白い。