つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ドイツ流戦い方に慣れているのが勝利の遠因か

 WCサッカー予選リーグで、優勝4回を誇るドイツに日本が勝つなんてありえない、恐らくぼろ負けだろうと小生も思っていたので、初戦はあまり見る気がしませんでした。で、心配になって最後のところを覗くと、なんと日本が2対1で勝っているので、びっくり仰天。続けて見ようとテレビの前に座ったのですが、内人が「まだ7分のアディショナルタイム(AT)がある。ドーハの悲劇でもこの時間に点を入れられた。まだ分からないので、怖くて見てられない」と言う。気の小さい小生も同感なので、結局、他局にチャンネルを変え、じっとATが過ぎるのを待っていました。

 7分ほど経ったので、ようやくドイツ戦に回したところ終了寸前。タイムアウトの笛が鳴り、勝利が確定したところはライブで見られました。やあー終盤、ドイツ側はゴールキーパーまで攻撃に出てきて必死でした。でも日本チームも11人が一丸となって必死の形相で、なんとか最後まで守り抜きました。ドーハの悲劇を選手として経験した森安監督のために2度と悲劇を見せたくないと選手は思ったのかどうかは分からないけど、守り抜いたのは本当に良かった。このまま行けば勝ち点3、同点ゴールを許したなら1点。この2点の差は大きい。

 それにしても、驚いたのは浅野拓磨選手のシュート。ライブではなく、その後何度もテレビで放映されたものを見ましたが、なんとも素晴らしい。相手側ディフェンダーの執拗な妨害をものともせず、大会屈指というゴールキーパーの守備をかいくぐってあの角度でネットに突き刺した。よく見ると、ゴールポストとGKが広げた左手の間はわずか30センチか40センチの間隔か。あんな快速で走ってきて、しかもあれほど正確無比なシュートを打つとは、まさに彼の究極の個人技なのでしょうが、失礼ながら二度とやれと言われてもできない感じ。神に導かれたパフォーマンスとしか言いようがありません。

 ところで、浅野は個人技を見せましたが、日本チームは基本的にフォーメーションを重視して戦う戦法。日本側はあらかじめボールが敵側ゴールに近づいたらMFの2人が前線に出てきて5人の攻撃形を作ると決めていたから、1対ゼロからの同点弾の場面でも、堂安がゴール前に詰めていたから、こぼれ球が拾えたのでしょう。ラテン系国家のサッカーはどちらかというと個人技に頼る形だが、ドイツはフォーメーション重視型。ドイツのブンデスリーガには今相当数の日本人選手がおり、WCメンバーにも8人が入っています。と見ると、日本人選手の多くがドイツ流の戦い方に慣れているということでしょう。

 ドイツと聞いて、勝てっこないやと思ったり、恐れおののいたのはむしろ小生も含めてオーディエンス側の方でした。選手がドイツの戦法に慣れていたということを考慮せず、勝手な先入観を持ち、大変失礼いたしました。途中交代して点を入れた堂安も浅野もブンデスチームの所属。ドイツ流に慣れているということは、相手をリスペクトしながらも、怖さはそれほど感じないということにつながります。浅野が相手DFをかわし、最強のGKにも臆さなかったのは、まさに”ドイツ慣れ”の表れでしょう。

 したがって、問題なのは、今後戦うコスタリカやスペインです。彼らはラテン系ですから個人技で攻めて来る。その辺の戦法を理解して対処してほしいと思います。かつてWCラグビーで、日本は初戦の南アフリカ戦に勝って一気に盛り上がったのですが、結局決勝トーナメントには進めませんでした。今次WCサッカーでは、ドイツ戦勝利にはしゃぎすぎてこの轍を踏まないようにお願いします。相手はドイツに勝った日本チームへの見方を変え、シャカリキになるでしょうから。ふんどしを締め直して2戦、3戦に臨んで欲しいと思います。

 上の写真は、関内の地下モールの熊本特産品ショップで見かけた「くまモン」、伊勢佐木町モールのレストラン前で見かけた「トナカイ」。