つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

目先の大衆迎合策は大衆に見透かされる

 今日朝、ニュースを見ると、岸田首相は、今年中の解散総選挙はあきらめたとのことです。どうも、最近の内閣支持率の低下が原因のよう。すなわち自分の執政が評価されないことについて、顔には出さないものの憤懣やるかたない感じです。先日、減税や給付金の庶民受けするような政策を提示したのにもかかわらず、昨年来の不人気の反転攻勢にはなっていない、なぜなのか。こうした情勢を受けて熟慮の結果、年内に解散しても自民、公明の与党勢力には有利にはならないという判断に至ったようです。

 岸田氏の現在のスタンスとしては、大衆受けするならいかなる政策を出してもいい、できる限り首相在任期間の延命を図りたいということらしい。小生は就任当初からそう感じていましたが、最近はますますその傾向を強くしている様子です。そもそも就任した時に「聞く力」などというスローガンかお題目か何か分からない言葉を吐いて謙虚な姿勢を見せました。でも、「聞く力」って結局、もともと自分が実現したいと考える国家目標、政策を持ち合わせていないということなんですね。

 ですから、昨今の減税、給付金の大衆迎合策も、単なる目先の人気取りということが大衆にばれてしまったのでしょう。それで支持率回復には至らなかったのです。一人当たり4万円程度の減税で喜ぶほど選挙民はばかではない。むしろ、我が国のトップはこういう崇高な信念と方向性を持っているのか、そのために努力しているのか、それなら付いていこうと多くは思うはず。首相に今必要なのは、自らが信じる政策を自分の言葉で力強く語ることではないか。官僚が書いた文書をつっかえつっかえ読んでも、大衆への説得力は生まれません。

 年内の解散がないなら、ではいつか。来年9月に自民党の総裁選があるので、その時期までが一応目安になるのでしょう。今の岸田首相の姿勢を見ると、支持率が盛り返すまで解散はやらない感じ。ですが、残念ながら、来年に入っても反転攻勢できるテーマってないですね。安倍さんの動きを見るまでなく、一番注目度が高く、受けるのはやはり外交。でも、ウクライナ戦争でも中東のイスラエルハマス戦争でも、日本がリーダーシップが取れる、岸田首相が活躍できる場はないですね。

 このまま、内閣支持率が低下の一途をたどると、国会議員は選挙ができないので、トップを代えたいという思いになるんでしょうが、では、ポスト岸田はだれになるのか。最近、次期首相にふさわしい人ということで調査があり、世間一般の評価では石破茂氏が一番であったとか。ちなみに、自民党支持者の中では小泉進次郎氏がトップ。石破氏はテレビにおけるしゃべり方はうまいが、所詮評論家的物言い。Aもあるし、Bという方法を提示するが、こうあるべきだという判断力、決断力は感じません。

 ですから、大衆受けしても少しでも政治に関わる人から見たら、物足りない。第一、石破氏は実質的に派閥を解散して支える国会議員はいないと思われます。世評がいいからといって、新たに彼の周りに集まる議員はいないでしょう。失礼ながら、もう過去の人といった感じです。それよりも小泉進次郎氏の”神輿”を担いだ方がまだ選挙民受けするかも知れません。ですが、年齢、キャリアからいって、今の日本の政治風土からいって無理でしょう。同じく斬新さをもって担ぐなら、むしろ政見をしっかり持った女性政治家ではないですか。前にも触れましたが、もうそろそろ日本も女性首相が出てきてもおかしくないと思います。

 上の写真は、鳴子峡の紅葉と陸前高田の「奇跡の一本松」。