つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

日本もやはり、信念ある女性の首相が必要かも

 岸田首相について、昔、自民党本部に勤めた経験のある女性が言っていました。「素敵な人で、人気がありましたよ」と。では、今の内閣の不人気はなぜなんだろう。いわゆる世上、「あの人いい人ね」という世辞の言葉が出るものの、まったく女性に持てない男がいます。その人には何かもう一つ人を引き付ける個性、悪い言葉で言えばアクの強さがないのかも知れません。議員になるのは「見た目、人の良さ」が必要条件なのでしょうが、国のトップとしてリーダーシップを発揮するにはもう一つプラスの魅力がないと十分条件とはなりません。

 岸田首相の演説を聞いていると、よく「てにおは」、助詞を間違えることが多いように思います。しゃべり方も抑揚がないし、よくつっかえるし、聴衆を説得しようとする迫力も乏しい。誰かが書いた文章をたどたどしく読んでいる感じがして、説得力がない。語る本人が文章に書かれた内容をよく理解していないからかも知れません。だから、彼は政策の中身を十分咀嚼しておらず、身に付いていないのだと、国民から見抜かれてしまうのでしょう。2年も首相の地位にいてこんな印象を持たれるようでは、ちょっと情けない感じがします。

 菅義偉前首相に代わって2年前に岸田首相が後任に選ばれたのは、多くの議員が彼の人柄の良さ、育ちの良さ、清廉潔白さ、つまり、かいつまんで言えば、”無難さ”に引かれたのでしょう。でも、やはりリーダーはそれだけでは物足りない。首相になるのなら、まず「儂は総理になってこれがやりたいんだ」という強い政治的信念を見せることが必要です。ですが、この方は就任当時、「聞く力を持ちたい」などと言っていました。これを聞いて、小生などは「ははーん、この人は首相になることだけが目的で、政策実現の目標など何も持ち合わせていないんだ」と直感しました。

 その思いは、昨今の減税、給付金支給を見てさらに深まりました。あまりにも場当たり的、近視眼的な人気取りの政策の感じがして、呆れます。いったい誰が入れ知恵したのか。今、世界情勢を見れば、安全保障環境が一段と厳しくなり、軍事力の整備は焦眉の急です。岸田首相自身、1%枠を破って防衛力整備費の増額を図りたいと言っていたのではありませんか。それならば、税収の自然増加分があったのなら、これ幸いと当然その増収分は防衛力整備に充てなくてはなりません。なぜ、国民への給付金などという近視眼的な人気取りに走るのでしょうか。

 一つ言わせてもらえば、国民は一時的な給付金などで大喜びしませんし、それで内閣の評価を変えようとは思わないでしょう。この首相は心底国の安全、将来の国の在り方を考えているんだと思わせる方がよほど内閣支持率のアップにつながると思います。支持率が低いから解散、総選挙が打てない、打つには人気回復したあとだなどという姑息なことばかり考えないで、今国家にとってはこれが必要だ、その実現のためには自分の政治生命を掛けるといった腹括る姿勢があるべきです。国鉄民営化の中曽根、消費税導入を図った竹下、郵政民営化の小泉などの先輩首相の覚悟を見習うべきです。

 新しく外相になった上川陽子女史は、ハマスイスラエル侵攻を受けて「イスラエルにも自衛権がある」と述べて、ハマスの掃討戦を支持しました。ああでもない、こうでもないなどとヌエ的な態度を取るべきでない。日本の周辺には潜在侵略国が多いのですから、明確に国防の必要性を示すべきです。上川女史は岸田派ですが、親分と違う政治資質を持っているようです。安倍前首相がなぜ8年の長きにわたってトップの座にいたか、なぜ国政選挙に勝ち続けてきたかという点を岸田首相はもう一度考えるべきかと思います。

 付け加えるに、もう人柄だけの”安全パイ”の政治家二世は止めて、明確に国家経営の姿勢を示す首相を選ぶべき刻(とき)だと思います。2年前に安倍氏が支持した高市早苗女史もそうだったし、上川外相にもその資質を感じます。申し訳ないですが、岸田さんより高市、上川両女史の方に強い政治的信念を感じます。海外では、英国のサッチャーは言うに及ばず、ニュージーランドのアーダーン、フィンランドのマリンの両元首相、イタリアのメローニ首相などを見るにつけ、女性首相の方が肝が据わっている。日本も政治家二世でない女性が首相になってもいいのかなと思います。

 上の写真は、自宅近くで見た黄色いランタナと、徳島空港構内で見たハロウィーン飾り。