つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

名球会の投手加入条件、緩和してもいいのでは

 プロ野球名球会の規則が変わり、200勝か、250セーブポイントとしていた投手の条件を緩和して、貢献度などを加味する特例を認めることにしたようです。それで、藤川球児上原浩治の2人が新規に加わったとのこと。上原は日米通算で134勝、104ホールド、128セーブ、藤川は日米通算で61勝、164ホールド、245セーブの生涯記録です。単純に200勝という条件だけから見れば、かなり甘々の記録だと思います。改めて、名球会の条件を考えてみると、投打のアンバランスが目について仕方がありません。

 以前にも書いたことがありますが、もともと投手の勝ち星は厳密な意味で個人記録ではないと小生は思っています。いくらいいピッチングをして最終回までゼロゼロで来ても、最終回に自軍野手がエラーして点を入れられたら敗戦投手になるし、逆に10対10で来て味方が最後に点を取ったら勝ち星になる。これはピッチングの良し悪しとは関係ないでしょう。厳密に投手の個人記録を見るならば、勝ち数だけでなく、登板回数、生涯防御率、三振の奪取数が考慮されるべきだと思います。

 今のプロ野球の試合構成は、投手に先発完投を求めるものでなく、先発、中継ぎ、抑えと分業化しています。今回名球会が入会条件を変えたのもそういう時代の変化があることを理由に挙げています。確かに、先発投手は得点数が上回った状態で5回を投げ切った場合、勝ち星の権利を持ちますが、後続の投手が撃ち込まれ逆転されたらその勝ち星は消えます。勝敗が後続の投手に託されるという意味では不合理です。

 今、名球会の会員は打者出身が63人に対し、投手出身は15人だけという。この数の差は打投の条件のアンバランスを反映したものです。打者の場合、勝ちゲームであっても負けゲームであっても安打数はカウントされるので、完全に個人記録。これに対し、投手の勝ち星は後続投手の力量が関わるだけでなく、自軍打撃陣の出来不出来も関わるので個人ではどうしょうもない部分が多いのです。厳密に名球会の打者のヒットの条件を投手と同じにするのなら、打者が負けゲームで打った安打はカウントしないという形にしなければなりません。

 投手の力量を単純に勝ち星だけで見るなら、120勝くらいしていれば、十分一流選手と見ていいのではないかと小生は思います。150勝以上していれば無条件で名球会入り、150勝に達しなくても、120勝以上すれば生涯登板回数、防御率、三振奪取数などを加味して名球会に選んでもいい。で、調べてみたら、150勝-199勝の選手は26人(現役はヤクルトの石川、楽天から中日に行った涌井の2人)いるんですね。この数をプラスしてもまだ投打のアンバランスは解消されません。120勝―149勝の人は調べていませんが、防御率、三振奪取率が高く、ホールド数、セーブ数が多い選手がきっといるはずです。

 今回、上原、藤川が特別に選ばれた背景を探ると、2人はテレビのコメンテーター、解説者として登場してくることが多い。藤川の解説はとても適切だし、分かりやすい。上原は日曜日朝の情報番組のスポーツコーナーに出て、それほど中身はないものの、好感が持てるコメントをしている。印象度は高い。2人はプロ野球の宣伝マンとしては十分な役割を担っているやに思えます。したがって、そういう要素も名球会の特別選抜に関係しているのかなと勘繰ってしまいます。

 上の写真は、秋のある日、三軒茶屋茶沢通りで見かけた祭り。下の方は、タイの友人から送られてきたイクラトン祭で夜空に上がる蝋燭火の風景。